第61話 異変�� ページ8
体調の悪い時に触れられる手は、こんなにも冷たかっただろうか。
それとも、この男の手が特別冷たいのか。
体が不調を訴えるのはいつぶりだろう。
もう随分と昔の事のように思う。
あの時も、誰かが冷たい手を額にあてて、「熱か？」と尋ねてきたんだっけ。
それで発熱していることに気が付いたのだ。
でも、それが誰だったかなんて覚えていない。
覚えているのは、その冷たい手と、尋ねてきた温度のない声だけ。
この男の手が当時と重なったのは、体を蝕む熱と手の冷たさが錯覚させたからか。
そんな感傷に浸っている時間はない。
額に触れる男の手を払い、パソコンに集中する。
男は一瞬だけ笑みを見せたかと思うと、すぐに部屋を出て行った。
一体何だったんだ。
まぁいい。
これで本来やりたかった作業に集中できる。
外ではまるで見計らったかのように雷鳴が轟いている。
どうやら、神様は僕の味方をしてくれるらしい。
パソコンの準備は万端。
あとはタイミングを待つだけ。
雷が稲妻となり、地面を叩く瞬間を。
頼りになるのは、通気口から聞こえてくる僅かな音のみ。
そこに全神経を集中させる。
こればかりは自然に任せて待つしかない。
エンターキーに指を置き、目を閉じる。
その方が耳に集中ができるのだ。
聞き逃すわけにはいかない。
この一瞬しかないのだから。
熱に浮かされた状態でどこまで集中できるか、が勝負のカギとなる。
そして、やってきた。
ドーーーン
という音は、意外と大きく聞こえた。
近くで落ちたのだろう。
その音を合図に、待ってました、と言わんばかりに、僕はエンターキーを押した。
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真昼 - こんなに私の理想の夢小説あるなんて、、、、。本当に最高です！更新頑張って下さい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ (2022年5月5日 20時) (
レス) @page42 id: 5b53c5bf5f (このIDを非表示/違反報告)
やまは(プロフ) - すごく面白くてシリーズ一気読みしてしまいました！これからも更新待ってます！！応援してます！ (2022年2月27日 9時) (レス) @page42 id: d3221d33a6 (このIDを非表示/違反報告)
夏生莉緒(プロフ) - ぽんさん» レス遅くなりすみません！大好きだなんて、本当鼻血が出そうなほど嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2019年6月22日 19時) (レス) id: 178bcf1535 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 更新ありがとうございます！毎日読み返すほど大好きです！これからも頑張って下さい！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: eadf73325c (このIDを非表示/違反報告)
夏生莉緒(プロフ) - テトリスさん» 応援ありがとうございます！とても嬉しいです^ ^これからもよろしくお願い致します！ (2019年5月19日 20時) (レス) id: 178bcf1535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏生莉緒 | 作成日時：2018年9月16日 10時
