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９５話 ページ49
彼女はまた、長い旅路に出た。その旅路を経て、彼女は無事に孤島に帰り着いたのだという。
実際にどんな冒険をして、どう戻ってきたのか。旅路の果てで海賊王の宝を見つけてしまったのか。本当に禁固刑に処されたのか。彼女は多くを語らなかったが、やりたいことを終えたその人は、長年の呪縛から解き放たれたようだと語る。
今はようやく歩けるようになった息子を眺めながら、一人のんびり紅茶を飲むのが日課らしい。たまに、少し過保護な家族と厳しい旦那も添えて。ごくたまに、いつかの友と言の葉を交わしたのだとか。
彼女はあまり書くこともなかった日記に、ある事実を記した。
アンデルセンを殺したのは事実であること。その微かな復讐心と衝動に駆られた自分を見て、アンデルセンは自分を美しいと評価し、どうせ政府に殺られるのなら君に殺されたいと。
これもこれで事実かどうかはさておき、旅を終えた彼女は残りの余生をゆっくり過ごすという。
......夢は見つかったのだろうか？
「聞きたいか？ロジャー。それにリリーも。まさか量産型のクソ花がまだ生きてるなんてな。」
「殺そうとしたら避けられてばかりで、ここまで生き延びたってだけだよ。......船長の夢は聞かないでおこうかな。想像してみるのも悪くないし。老後までには叶うんだろ？いつか僕にも見せてよ、君の夢を。」
夢はどうやら、見つかったらしい。
彼女は絶対に実現させると微笑みながら言った。
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作者名：御法川 | 作成日時：2024年3月14日 20時
