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９３話 ページ47
その日の夜、レイナはスレットと二人で、何を話したのだろうか。悪友たちに別れを告げてからと言っていたが、そも彼らと連絡はとれただろうか。真相は分からずじまいだ。
翌朝、新世界のとある孤島にて。自宅に戻ると、レイナの姿はそこになかった。
「レイナは......埋めた。墓は俺が建てるから、お前ら二人は飯の用意を頼む。タクトと一緒に出掛けてくる。」
レイナの最期を見届けたスレットは、タクトと名付けた息子を抱えて外を出てしまった。最期すら見届けさせてもらえないのかと思い、朝御飯を用意する前に娘の荷物の整理だけはしておこうと、彼女の私室だった場所へ足を踏み入れる。
しかし死ぬ前にと整理をしていたからだろうか。勝手に使ってもいいという意思なのか、日常生活において使えそうなものしか残っておらず。他に見渡しても、机の上には家族写真しかない。窓は開きっぱなしで、風がよく吹いてるおかげで室内は案外涼しかった。
「せめて写真立てには入れてほしいものだよ。......せっかく、敬語も崩したというのに。あなたがいなければ無意味じゃないですか。」
愚痴を溢しながら写真を手に取る。雑に置かれていた写真立てに入れようとすると、ふと写真の裏に文字が書いてあるのが見えた。最期に何を落書きしたのやらと読んでみる。
............
歳をとったせいか。私は以前よりも涙脆くなっているらしい。
「ちょっと旅に行くぐらいなら、言ってくれればいいのに。来年まで手紙、待っていますよ。」
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作者名：御法川 | 作成日時：2024年3月14日 20時
