王と神と作家、王の覚醒の刻【ONE PIECE】 (ページ39)

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８５話ページ39

第五の番人を食らった。その言葉で、彼の中で一つ確信できたことがある。今試練を越えて生きなければならないのは、自分を含めた四人だけではなく、もう一人いたことに。今の今まで姿を見せず、しかし近くでずっと見守ってきた。騎士という役割に当てはめられなかったおかげで、常に自由に行動して隙を探した、この世で最も身勝手な女性が。

「カウントを再開する。お前の次はヴィアを殺してやる。」
「今だ、レイナ。」

言われなくとも。俺から発せられたものではない女の声に、Aは思わず声のした方角へ振り向く。直後、その方角より放たれた細い矢は、Aの腹を貫通する直前に肥大化し、彼女の腹に大きな風穴をあける。急激な出血に耐えられなかった門番はそのまま息絶えた。
ついでに自分の在り方を思い出してもらおうと思ったのに、と驚くほど意地悪なことを言いながら、本物のレイナが現れる。その片手には弓が握られており、いつもと同じようにこちらを舐めきったような態度を見せた。

「遅い。」
「私は庭園の外にいたから、侵入まで時間がかかったの。まあ、とりあえずお疲れ様って感じかな？事情なら明日、ちゃんと話すから。後は互いの宝石が刺さった箇所に傷をつければ、皆無事に帰還ってやつ。全部終わったらリリーの始末もしないとね。」
「......四皇の幹部、カタクリもいたぞ。戻った瞬間に世界情勢変わってないか？俺たち戦犯にならないか？」
「そこは平気。前もって手に入れた弱点を利用して、あらかじめ全員に脅しをかけているから。革命軍なら現在の本拠地、クロコダイルなら海水を込めた雨降らしの瓶を割る、四皇なら......なんだと思う？」
「......よし。この短期間で、あの馬鹿と似たような性格になったのは理解した。そもそもお前が対策なしに、クソどもを呼び出すわけもないよな。これで向こうに戻った後、なんの躊躇もなくお前を殴れるよ。」

久しぶりの会話は、なんと淡白なことか。しかしそれで満足したのか、これから先長い時間を費やして互いを理解していくことになると分かっているからか。二人はこの世界に来る前に、宝石の破片によって刺された箇所を自ら傷つける。
同時に、相手の左手の薬指を強く噛み砕いた。それは言わずとも二人だけが分かる意志疎通でもある。