王と神と作家、王の覚醒の刻【ONE PIECE】 (ページ27)

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７３話/第三の試練、止められない憧れページ27

＿＿＿＿＿＿＿＿どうかここまで来てください。私が第三の門番、憧れだったものです。
私は憧れました。あなたたちが当たり前のように愛を知っていることに、憧れました。私はこの感情を愛と断定することが難しく、家族の元に残した子供にも本当の愛を抱けなかった。
私はあなたたちに憧れる。普通というものに憧れる。しかし、憧れるだけでは先には進めないことを、私は知っている。ゆえに証明を。
あなたたちが当たり前のように持っている強さで、私の憧れの具現化を殺し尽くし、最後に私を殺してください。
その声が、ヴィアの脳内に響き渡る。これは憧れという感情を強く抱いた自分に相応しい試練だろう。
成績トップ、幼いながらも美を象徴するような顔立ち、騎士の家系。女子に囲まれるのは必然であったスレット。そんな彼に憧れ、いつしか恋心に変わるのは必然だった。おそらくは、その憧れ。
......否。仮にそうだったとしても、もう一人憧れた人物がいた。

「悪いけど、私はどんなに傷が付いても止まらない。あなたたちみたいな腐ったものを、根本から変えるために。」

疑問すら抱かなかった、故郷の悪政。それらを正すと宣言してみせた女子がいた。ただ、憧れと恋心に盲目だったがために。
スレットの言うことはすべて正しいと。両親の教育は間違っていないと。先生と、特にあの女子だけは許してはならない。とにかくいじめて、普通に戻さなければと。
憧れが招いた間違いが、今も彼女の記憶に残っている。
そうだ。これはヴィアの憧れを断罪するための試練でもある。

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