王と神と作家、王の覚醒の刻【ONE PIECE】 (ページ17)

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６３話ページ17

少女は一晩にして、すべてを失った。
憧れ、嫉妬の対象であった友を。友と認識したのはこちらだけかもしれないが、少なくともAはレイナを好意的に思っていたようだ。
彼女に憧れるがゆえの行動も、この醜い嫉妬も、すべて乗り越えればいつかは友の隣を歩ける。そう信じていたが、彼女も幼き頃から試練を与えられていた。あなたの友達の方が優秀、最低身分でありながら返り咲こうとする天才、それに比べてあなたは。
多くの言葉を投げられ、拳を振り上げるのが見えれば痛くないように姿勢を変え、地獄が始まり、終わり、学校に通うまでは心を無にした。これが正しいことで、Aが乗り越えたものなんだと信じたために。
......すべて乗り越えた先は、生を諦めた友の死体があるだけ。光景を目の当たりにした少女にかけるべき声は、優しさではないと騎士は判断する。

「騎士ならこう言うだろう。少女は忘れ、第二の人生を歩むべしと。」

しかしそれは騎士の言葉。騎士がサボの言葉にも耳を傾けようと言い、サボは当たり前で、しかし遂行するのは困難であることを口にする。

「俺はエースが死んだとき、ショックを受けた。三日間も高熱で倒れるほどだ。目の前でエースを失ったルフィは......もっと辛かったと思う。俺は決めたんだ。エースの意志を継ぐために、今を強く生きるんだって。ところで、俺たちの生い立ちは似ていると思わないか？」
「故にあなたが選ばれた。」
「......故郷もそうだ。すべてを失った人はゴミのような扱いを受け、産まれたときから幸福な人だけがさらなる幸福を享受した。俺はそれが嫌で、幸福から逃げ出した側だったよ。その先で別の幸福を得たように、進み続けたあなたにも別の幸福があるはずだ。ただ怒りの炎を燃やしていては、憧れた人の意志すら継げない。だから、その炎は静めるべきだ。」

誰にでもできるようで、難しいこと。騎士は深く考え込み、深く突き刺さった長剣を抜き、騎士に刃を向ける。
あなたの答えも一つの正しさ。それを証明するため、この一太刀を受けよ。その言葉の真意を知ったスレットらが殺すか逃げた方がいいと叫ぶが、どうしてかサボはその場から一向に動こうとしない。

「その揺るがぬ魂、見事。これにて第一の試練は完遂される。あなたたちには次なる舞台が待ち受けていよう。」

サボの首が飛んだ瞬間。舞台は花畑から、城内の出産に立ち会うシーンへ転換する。