王と神と作家、王の覚醒の刻【ONE PIECE】 (ページ14)

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６０話/あなたが目覚めるための五つの試練ページ14

「君の言うことは正しい、コビー大佐。その正しさはかつて、この地に在った国の基盤として機能した。」

語りかける女性の声。目をやれば、そこにはしばらく行方を眩ましていたレイナの姿がある。自分の夢を探してみたいと言い残したのが最後だが、彼女の表情から察するに、見つけたものは夢ではない。
■、誰もが簡単に得られるもの。
多くは赤子の頃に与えられるものであり、人によっては得るまでに遅くなることも。
では、彼女/Aは？二人に対して、それは向けられたことがあっただろうか。ああ、得ていたとも。得ていたはずなのだが。どうしてか大事にしまっていた箱の底には穴があり、幼い頃から与えられ続けた飴はコロコロと転がっていく。
しまうんじゃなく、食べる。しかしそれでは愛は消化されてしまい、自分が愛を知ることさえ許されない。
その寂しさを知る女性が今、そこに立っている。

「昔は豊かな国だったそうだね。誰もが平等で、差別もなく、■を得られる世界だった。私ではない、Aが望んだ世界だ。でもその国は衰退の一途を辿った。ドレスローザのように、上手くはいかなかった。原因は当たり前のように享受していた■を利用する者がいたからだよ。」
「レイナさん、話はそこまでです。どうして我々を呼び出したのですか？帰ってくるなら帰ってくると、そう言ってくれたら」
「......簡潔に言うよ。ロジャーを元に戻せないかと旅を続けていたら、私が持っていたはずのものが奪われた。ある少年が言ったんだ。君の関係者の中に五人、君を元に戻す誰かがいるだろうって。だから呼び出した。少し昔の世界を旅してもらう五人を見つけて、私が落としたものを探してもらうために。」

女性は一方的に話し、かと思えばこちらの意に沿うように簡潔に話を終わらせると、五つの宝石を空高く投げ飛ばす。その宝石は空中でいきなり砕け散り、ある五人の体内に深く突き刺さる。

６１話→←注意/以降の回より、以下の成分が含まれます。