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｢それじゃあ、また明日！二人とも勉強に困ったらいつでも電話してねー！｣
学秀｢誰が困るものか。｣
渚｢Aもちゃんと勉強してね。またね。｣
私の家は二階建てだ。学秀のすぐ隣の家...つまりめちゃくちゃ広い。
｢さてと...お掃除開始かな。｣
掃除を始めて三十分、親がようやく私のことを思い出して連絡をくれた。今週中に必ず帰ると言ってくれているけど、そんな一週間も耐えれるわけがないだろう。
一人でこんな広い家を掃除するなんて...ちょっとキツい。
｢はぁ...マジで最悪。こんなこといいな、できたらいいな。あんな夢こんな夢いっぱいあるけどぉ〜｣
學峯｢ドラ○もんではなく理事長はどうですか？｣
｢来た！親から許可をもらった合鍵不法侵入者！！！｣
學峯｢不法侵入という言葉をご存知で？十分で終わらせますよ。あなたは自室だけ片付けなさい。｣
｢はーい。｣
だからこういう時は必ず、隣の浅野さんに掃除を頼んでいる。おかげで私の時間も減らずにすんでいる。
｢ねえねえ理事長、また新しい料理に挑戦したんですよ！よかったら食べてください！｣
學峯｢...｣
｢食べなかったら学校の評判｣
學峯｢食べます。｣
｢そうこなくっちゃ♪｣
學峯｢本当...あなたは操りづらい駒ですね。｣
｢理事長は操りやすい駒で助かります。その気になれば、あの学校はいつでも私の物にできるんですよ。｣
學峯｢それは楽しみだ。勉学にも集中するように。｣
｢はーい♪｣
...リビングに戻った後、ふと思い出したことがある。
私が最後に怒って、泣いたのは...いつだったかな。渚の時は慌てただけで、心配しただけだった。あれを怒りというには、少し違うかも。
｢...また震えてきてるなぁ。ちゃんといつもの薬を飲んでおかないと。｣
吸入器を使いながら薬を飲む日常。何故か知らないけど、私たちは先祖代々二十歳になる前に大きな山が来るらしい。それを越えるには恐怖心を打ち消さないといけない。
だから泣かないように、怒って誰も悲しませないように。そうやって自らを教育してきた。
｢気管支喘息...ありえないわー。｣
私が幽霊生徒となったのは、この病気が関係していた。
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作者名：琲世 | 作成日時：2020年12月9日 22時
