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それは、数年前から確認され始めた病気だった。
Aがこっそり初期世界のアンダーワールドに向かっていたのは知っていたけれど、ペインアブソーバで痛みを最大まで引き出したのはわからなかった。
私たちはそれに気づけず...小学六年生の冬、娘の体調がおかしくなった頃にようやく気づいた。
蜂須賀｢A、お帰りなさ...｣
｢お母さん！助けて！！！｣
蜂須賀｢...え？｣
｢ゴブリンがいたの...死んじゃう...嫌だぁ...！｣
娘の仮想世界で受けた痛みは尋常ではなかった。他に原因はないかとノートなどを見てみると、日記には"お父さんの役に立てるよう、仮想世界で強くなりたい"と書かれていた。
...あの子はそのために、毎日のようにアンダーワールドに向かっていた。私がすぐにでも止めていれば、Aがこんな病気になることなんて...
蜂須賀｢大丈夫...ここは仮想世界じゃない。皆があなたの味方だから...大丈夫よ...｣
｢でもっ...ほら、今もこっちに来ている！！！｣
煌｢...どうしたんだ？｣
蜂須賀｢A、あれはゴブリンなんかじゃない。煌お兄ちゃんよ。｣
｢嫌だ！！！助けてお母さん！！！｣
｢おかあ...さん...｣
蜂須賀｢...残り十分で渚に叩き込むわ。娘のことは心配いらない。｣
渚｢でも...今のってただの病気じゃないですよね！？｣
蜂須賀｢この件については忘れて。さあ、始めましょうか。｣
いつか娘の病気を治してみせる。純粋な気持ちで頑張ってくれたあの子を、必ず私が助ける。
渚｢...暗殺もそうですが、僕もAを助けたいって気持ちはあるんです。本気でお願いします！｣
茅野｢だ、大丈夫なの...！？｣
渚｢本気じゃないと前に進めない。｣
蜂須賀｢...その心を忘れないで。この世界でも心意というものが、人を強くする。その力でこの世のすべての理を変えてみせなさい。｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2020年12月9日 22時
