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｢...お母さん？｣
蜂須賀｢京都で事件が起きたから、あなたと同じ宿屋に泊まりに来たの。正確には仮想世界だけど...事件を起こしたプレイヤーを捕まえに来ただけ。｣
｢プレイヤーを...そっか。気をつけてね。｣
蜂須賀｢あなたも気を付けるのよ。有馬に泣かされたんでしょう？にゃんにゃんにゃんにゃんと鳴かされて...｣
｢そっちじゃないし...それに私は泣いてない。だから安心してよ、お母さん。...お母さん、どうしたの？｣
どうして...そんな悔しい顔をしているの？どうしてそんな寂しい顔をしているの？
｢お母さん｣
蜂須賀｢...結婚して、あなたを産んだ後かな。敵組織にあなたごと殺されそうになったことがあるの。｣
｢えっ...？｣
学秀｢...お前も、彼奴を守ろうとしているのか？｣
渚｢しているよ。僕に泣きながら怒ったあの日から...もう泣かせちゃダメだって思ってる。でもあそこまで泣かなかったら、たまには泣いてほしいかなって...すごく不器用だよね。｣
蜂須賀｢結婚して、あなたを産んだ後かな。敵組織にあなたごと殺されそうになったことがあるの。｣
...Aのお母さんだ。
渚｢お母さ｣
学秀｢しっ。｣
蜂須賀｢あの日、あなたはすごく泣いていた。...殺されそうだったのに、それを見て安心したの。ああ、ちゃんと生きてるなって...それと同時に、もう怖い思いをさせたくないって思った。｣
｢...｣
蜂須賀｢A、誰かに助けを求めなさい。あなたは今すごく怖がってるの。｣
｢怖がってないよ...？｣
初めて聞いた。生まれてすぐ、殺されそうになったなんて...
｢私ね、全然平気だよ？だから安心して？｣
その言葉を何度も疑う。でも家族じゃない僕たちには、Aの本当の想いなんか理解できない。聞いていて自分が責められてるような感覚に陥りかけていた。
蜂須賀｢...そう...せめて、渚くんと学秀くんには頼ってね。もう無理なんてしないでね...｣
渚｢...｣
赤羽｢二人とも...泣いてんの？｣
学秀｢否定したいところだが...今回はしない。だが誰にも言わな｣
カシャッ
赤羽｢脅しのネタに使わせてもらうわ♪｣
渚｢非人道的！！！その写真を消してぇぇぇ！！！｣
｢あれっ？三人ともそこにいたんだ！｣
学秀｢ハッ...このゆったりとした声は...｣
｢お前ら全員脱がして公開処刑にしてやるぞー！｣
｢｢嫌だぁぁぁぁぁ！！！！！｣｣
蜂須賀｢...はぁ...あの子の心情が全く読めないわ。｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2020年12月9日 22時
