そうだ、日常を覗いてみよう【ハイキュー】 (ページ3)

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【食堂ではオムライスが王者】ページ3

「またお前はオムライスを……」

「うるさいしらす。違う白布」

「てんめぇ」

昼休みになり、私達男子バレー部は食堂へ来て昼食をとりにきた。

相変わらず工は、お兄ちゃんと同じハヤシライスを頼んでいる。

うん、今日も負けるな。

「A、オムライスばっかで飽きないの？」

「太一よ、私は好きなものには一筋なんだ」

「あぁ、うん。そうか。」

軽く流され、太一は自分の注文した日替わり定食に目を向けた。

君の好物のすきやきは学校にはないもんね、残念でしたね。

「Aのオムライス好きは今に始まったことじゃない」

「オムライスのことなら一時間は語れると思う」

「その間にオムライスは冷えて不味くなるだろうな」

「……」

「おい白布、お前がそんなこと言うから無言で食べ始めたじゃねぇか」

決して不味くなるから早く食べないとなんて思ってない。

ただ早く食べたかったからだ。そうだから。

「でも、毎日それだと栄養が偏るぞ。たまにはサラダも頼んだらどうだ？」

「大平さん、私は入学して以来オムライスしか食べてないんです」

「そうか、手遅れだな」

そう言って笑った大平さん。

そう、もう私はオムライス以外は食べないと決めている。

すると、隣から肩をツンツンとされ、それに応じて首を動かすと

「むぐっ」

「バランス良く食べないと、いつかぶっ倒れるだろ」

「……大丈夫だから、大丈夫」

「嘘つけ。俺のサラダやるから食べろ」

実を言うと、私がオムライス以外を食べないのには、もう一つ理由がある。

野菜が嫌いなのだ。

野菜独特の、あのみずみずしさが気持ち悪い。だから今すごい吐きそう。

「だから、そのサラダはしらす……白布が食べるべきだよ」

「お前わざとだろ。いいから食べろ」

「お兄ちゃん助けて」

「若利ならもう食べ終えたぞ」

「牛島さん強すぎる……」

目の前に兄の姿はなく、代わりに工がグダッとしていた。

仕方ない、太一に頼ろう。

白布とは反対の隣の目を向けると、それはもう他人事のような顔だった。

「っち……無理矢理でも食わしてやるからな」

「白布、もうジェイソンにしか見えないぞ」

「大平さん、そんな笑顔でそーいうこと言うのやめましょう」

その日、食堂ではフォークを持って乱闘する男女がいたという情報が多数。