私に彼氏ができない理由【Ryuto.S】 (ページ30)

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猪狩side

どうも、猪狩蒼弥です。ご無沙汰しております

最近作ちゃんの様子が一段とおかしいです。

まあ大雑把にいうと心ここに在らずって状態

作「...A」

そして時折Aちゃんの名前を蚊が鳴いているかのような小さな声で呟いている

どうやら恋敵が立て続けに現れたらしい

猪「早く告白して自分のものにしちゃえばいいのに」

そんな作ちゃんをみて俺は連日そう言っている

そうすると決まって作ちゃんはこう言う

作「今の関係が壊れるのが嫌だ」

どうやら作ちゃんは恋心を抱いているのは自分だけ、Aちゃんは自分のことを幼馴染とでしか見ていなくそれ以上でもそれ以下でもないと思ってるらしい

そんなの言ってみなきゃわかんないことなのに、

思い切って告白して幼馴染の関係が壊れるなんてことは俺にはないと思うんだけど

どうやら作ちゃんは余程Aちゃんのことが大切らしい

常に優しく取り扱わなければならない、コワレモノ注意みたいな感じ

日に日に自分に自信をなくして着実に弱っていってる作ちゃん

最近は部活が忙しくてAちゃんとまともに会えてないし話せてないらしい

作ちゃんは手先が器用で何事も着実にこなしていくけどAちゃんのことに対すると急に不器用になる

『あ、あの...作間くんに用があって、』

作「ん？」

そんな俺たちのもとに急に来たのはなんともまあ可愛らしい女の子

作ちゃんは1年の頃からモテてたけどAちゃんとクラスが離れてからチャンスを見計らった女の子たちがこうやって作ちゃんを呼び出すことが増えた

『ちょっといいですか...？』

あ、これは告白かな

作「ガリさん、ちょっと行ってくるね」

猪「了解」

作ちゃんは優しいからこういう女の子の呼び出しを断っているところは見たことがない

作ちゃんよりもだいぶ背の低い女の子

2人が教室を出ていくのを横目で見送る

猪「あの子確か5組の...」

周りの男子が可愛いって言ってたのを何度か聞いたことがある

どこかAちゃんに雰囲気の似ているホワホワした女の子

猪「どことなく似てるんだよなぁ...」

まさか、ね？