私に彼氏ができない理由【Ryuto.S】 (ページ19)

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Aside

「あ、私友達の分のジュースも買わなきゃ」

名前のわからない感情から早く逃げ出したくてその場を立ち去ろうとする

「龍我くん、ジュースありがとうね」

いつのまにか受け取ってしまったジュースを胸に抱えてペコッとお辞儀をする

佐「俺も一緒に行きますよ」

「へ？」

佐「先輩さっきから色んな男子に見られててなんか危ないし」

言葉の意味が理解できなくてキョトンとしていると

佐「ほら、行きますよ！」

半ば強引に龍我くんに連れ去られる

たどり着いた渡り廊下沿いにある自販機

ほぼ外にあるようなもんでジリジリと太陽が照りつける

「あっついなぁ、」

龍我くんからもらったジュースを一旦地面に置かせてもらって今日一日おろしてた髪を一つにくくろうとする

佐「熱中症とかには気をつけてくださいね、先輩白いからすぐ倒れそう」

私に自分の分のジュースをくれたからまた新しく炭酸を買っている龍我くん

ガコンってジュースが取り出し口に落ちる音がする

「熱中症と白いの関係ある？笑」

髪を結び終わって私もジュースを買おうとポッケからお金を取り出そうとする

顔を上げた瞬間に私のことをジッと見つめる龍我くんと視線がぶつかって

「ん？なんかついて、わっ...！」

問いかけると同時に龍我くんの腕が私の後頭部に回される

「え、龍我くん...？！」

状況が理解できず1人慌てふためく私

それと同時にさっき結んだばっかりの髪がほどかれて

パサって髪の毛がまた広がる

佐「先輩上手に結べてませんでしたよ笑」

佐「結んであげますね」

そういうと慣れた手つきで髪の毛をまとめていく龍我くん

「や、自分でできるよ...！」

佐「できてなかったじゃないですか、はいジッとしててくださいねー」

そのまま龍我くんのされるがままになる私

「...手慣れてるね」

佐「俺ちっちゃい妹いるんですけど毎朝髪結んであげてるんですよ笑」

鼻を掠める男物の制汗剤の香り

佐「よし、できた！」

佐「ポニーテールしてる先輩も可愛いですね」

ほら、またそうやって

君はすごく自然に恥ずかしいセリフを言ってくる