私に彼氏ができない理由【Ryuto.S】 (ページ16)

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猪狩side

近い、近すぎる

猪「ここ一応体育館なんだけどなぁ、」

Aちゃんがシャトルランを切り上げたとほぼ同時に立ち上がった作ちゃん

俺らは2回目に走るからまだ時間に余裕がある

体育館に響く40～という数字をカウントする声

作「ガリさん、ちょっと行ってくるね」

どこに？って聞かなくともAちゃんのとこに行くことはわかりきってたから

猪「ん、」

適当に相槌をうって小走りでAちゃんの元へ向かう作ちゃんを横目で見送って

特にすることもないから少し遠くにいる作ちゃんとAちゃんをボーっと眺める

猪「え、近くね？」

遠目からでもわかる距離の近さ

何も知らない奴からしたらカップルにしか見えないであろう

『ねえ、作間くんと真城さんって付き合ってるの？』

『確か幼馴染じゃなかったっけ？』

『私作間くんすごいタイプなんだけどさ...』

『あー、やめといた方いいよ1年の頃どんな可愛い子から告白されても全部振ってたらしいし』

『そういえば私も作間くんに振られて泣いてる女子何回か見たことあるよ』

猪「...」

「作間と真城ってただの幼なじみなんでしょ？俺結構真城タイプなんだけど、」

「やめた方いいよ、俺1年の頃真城さんにガチ恋して何回も話しかけようとしたけどその度に作間に睨まれて結局一回も話しかけられなかったし」

「あー、わかる作間あいつ普段は温厚なのに真城さん関連になるとめっちゃ怖いもんな」

「あんな可愛い子独り占めできるとかずるくね？幼馴染の特権使いすぎだろ」

「作間と真城さんクラス離れたから話しかけるチャンスなんていくらでもあるよ」

「...よし、あの2人付き合ってないんだったら頑張ってみるわ俺」

両耳に入ってくる作ちゃんとAちゃんの話題

完全に2人の世界が出来上がってる作ちゃんたちの方を見てAちゃんを無意識に睨みつけてる女の子も多々いる

猪「幸先が怖いなぁ、」

作ちゃん、もたもたしてるとAちゃん誰かに取られちゃうよ

...あ、それはAちゃんにも言えることかな