私に彼氏ができない理由【Ryuto.S】 (ページ11)

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龍我side

2人が出て行った後の保健室にポツンと取り残される僕

佐「強敵いたじゃん...」

実はA先輩のことは高校入学前から知っていた

今日初めて出会ったかのように装ったけど全部嘘

先輩の存在を初めて知ったのは今年の1月

＿＿＿＿＿＿＿

佐「さむっ...！」

無事推薦も決まり俺は高校の部活の練習に早くも混ざっていた

理由はスポーツ推薦だから

中3の最後の大会でそこそこいい結果を残していた為かあっさり合格し12月から練習に呼ばれていた

その日も学校終わりに高校へ出向き練習に参加しまだ中学生だからということで他の先輩たちよりも早く練習を終え帰ろうとしていた

佐「わっ...雪降ってるじゃん」

そういえば天気予報で夜から雪って言ってたなぁって思いながら足を進める

佐「うわっ...！」

どうやら道が凍っていたみたいで

佐「いった...」

見事に足をとられ転んでしまった

恥ずかしい。すごい恥ずかしい

横を通り過ぎる高校生たちから心なしかくすくす笑う声が聞こえるような気がしてきて

転んだ時に手をついてしまったためヒリヒリ痛む手のひらをギュッと握りしめて急いで立ち上がる

「あのっ...！」

佐「えっ？」

その瞬間に後ろから腕をがっと掴まれ驚きながら反射的に後ろを振り向く

そこにはマフラーに顔を埋めたここの制服を着た女の人

こっちまで走ってきたのか顔を真っ赤にしながら少し息切れしている

「あっ...ごめんなさい！遠くから転んでるの見えちゃって、コンクリートの所に思いっきり手ついてたから怪我したんじゃないかって思って...」

握り締めていた手のひらをちゃんとみてみると擦り傷のところから滲み出ている血

佐「あ、いや、大丈夫なんで...」

「いや、バイキン入っちゃいますよ...！あの、この絆創膏使ってください！」

そう言って差し出されたのは有名なキャラクターがプリントされている3枚の絆創膏

「あっ...無地じゃなくてごめんなさい、これしかカバンに入ってなくて...じゃ！失礼しました...！」

絆創膏を俺の掌に強引にのせて風のように去っていったその人

佐「...」

完全に俺の一目惚れだった