【キヨ】感情表現が苦手な少女と感情豊かな少年のお話 (ページ3)

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2話ページ3

私は転けないように集中しながら走っていたらもう校門が見えていた

「よしっ、間に合うな」

もう周りには誰もいなくて多分私たちで最後だっただろう。

近くまで来ると彼は「んじゃ、先に行くわ」と言って走っていってしまった

『お礼...言えなかったな...』

学校からギリギリ見えないところで放置され、さっきまで走っていたせいか膝がじんじん痛む

手の甲は擦りむいて少し血が出ただけだったので今はそこまで痛くない

痛む足を動かしながら校門をくぐる

くぐった先にはまだ生徒がたくさんいて少しほっとした

その時足を改めて見ているとすごく血が垂れていて靴下を侵食してた

靴下のおかげで、道路にぽたぽた垂れることは無かった、よかった...

それから昇降口前に貼られているクラス分けの紙を見た

“1年3組”

それが私のクラスだった

「ねぇ、君。」

ぽーっとしながら靴を替えて教室へ向かおうとしたら後ろから声をかけられた

「めっちゃ足から血出てんじゃん！
保健室行かなきゃ！こっち！」

何が起こってるのかわからない
今日はこんなことばっかりだ。

手を引かれて《保健室》と書かれた部屋へと入る

『えっと、あの...』

「ちょっと痛むよ～」

『えっ、あの...ひっ...!!!』

かなりの激痛が膝から身体中に流れた

「ごめん、痛かったよね？
もう大丈夫だよ。ガーゼも貼ったし！
あと、手のひら見せて～」

『えっ、あ、はい...』

言われるがままに両手を見せると驚くほどのテキパキさでした

「よしおっけ！
君新入生だよね？」

いろいろ脳内整理をしていたら話しかけられた

『え、あ、はい...』

「もー、同じことしか言ってないよw
ごめんね、突然w」

「あ、いえ、ありがとうございます。」

「うんうん。
あ、俺は２年生の赤城友紀！皆からはともって呼ばれてるんだ！よろしくね！」

２年生ってことは先輩だよね...
どうしていかにもこんな不審者みたいな子を...

『私は...白星Aです。
手当して下さりありがとうございました。』

ぺこっと頭を下げる

「ううん！
それに、俺は「もうすぐ怪我した子が来るから手当てしてあげて！」って言われたからって言うのもあるw」

『えっ、それって「ってあー！やばい！もうすぐ時間じゃん！！」...あ、ほんとだ』

平然としている私を不思議に思ったのか「ん？白星さん焦らないの？」と聞かれた

と、同時に扉が開いた