幼馴染は女の子

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「おっはよー」
「A〜おはよ〜」
「Aちゃんおはよう」
「おはようございます、綾立先輩」

建物に入ると泊まり込みの桐絵と栞ちゃんと早く来ていたとりまるがいた。
今日はこのメンツで防衛任務だ。

「そういえば綾立先輩、辻先輩と仲良いんですか」
「あ〜…」
「とりまるあんた知らなかったの？辻ちゃんはAの幼馴染よ」
「え、幼馴染ってあの？」
「うん…」

桐絵や林藤支部長、迅さんやレイジさんなどの玉狛の古株組は私の事情などを知っているがとりまるなどの玉狛歴が長くない人には幼馴染がボーダーにいるがそいつには秘密でボーダーに入ったので本部などで私の話をしないで欲しいとだけ言ってあるのだ。

「でも辻先輩って女子が苦手でしたよね」
「……うん」
「そこがね〜Aを困らせてる原因なのよね」
「Aちゃんも難儀だよねー」
「困らせてる？」
「………」

私の幼馴染は女が苦手。私は女として見られていない。
…私はそれに気付いてから女として見られないように必死に生きてきた。

昔は本当に女の子らしくなかった。兄と遼兄、新之助、奏平という男兄弟に囲まれて育ったせいでそれはそれはやんちゃだった。幼い頃母は私に女の子の服を着せようとしたが兄ちゃんや新ちゃんとおんなじ服がいいとごねてずっと兄のお下がりの服を着ていた。髪もお揃いがいいとずっと短く切り揃えて、学校では新ちゃんと一緒に男子に混ざり校庭で遊んだり喧嘩をしたりと毎日を過ごしていた。その頃には新ちゃん、さくらちゃんと呼び合っているのを同級生に笑われ学校では呼び捨てで呼び合うようになっていたのが私を女子っぽさからさらに遠ざけていった。
しかしそんな生活も高学年になっていくにつれて違和感が生じ始めた。

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