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手越side
家に帰ると、もう日付が変わる時間だった
「……寝よっか。あ、明日、迎え何時?」
「えーっと……10時、かな」
「わかった。朝ごはん作っとくから」
「タカ、迎え何時なの?」
「7時。ちゃんと食えよ?」
「ん、わかった。ありがと」
〈なに、お前って朝食べねーの?〉
〈うん、いつもブランチだね〉
〈ちゃんと食べろよ〉
〈んー、でもさ〉
〈でもさ、じゃない。明日から作ってやる〉
一緒に暮らし始めてからタカは朝食を作ってくれるようになった
タカの方が迎えが早くても
朝起きるとテーブルには朝食が並んでいて
それは俺が無理なく食べられる量で
「おやすみ」
「おやすみ……」
今夜もタカに抱きしめられて眠る
体温が温かくて気持ちいい
「タカ……?」
「…なに」
「いろいろごめん」
「明日は迎えに行かないからな」
冗談交じりの返事が返ってきて
俺はタカの胸に顔を埋める
ずっとそばにいたい
「俺、いつになったら自信が持てるんだろ……」
「ねぇ、てごし?」
「……はい」
「ふふっ。なに畏ってんの」
「だってさ」
「俺をタカって呼ぶのはだーれだ?」
突然の質問に戸惑う
えっと……俺でしょ?あとは……
けーちゃんやシゲは呼ばないし
有岡くんも呼ばない
中丸くんや塚ちゃんも……
タカが仲良いJrの子達も呼ばない
え……だれ?
「降参?」
答えかねている俺にタカはくすくす笑ってる
「うん……俺以外、誰も呼んで…な、い?」
「ブッブー!はい、残念!」
「えー、誰が呼んでんの?」
「家族」
「なんだよ、それっ!」
俺の文句なんて御構い無しにタカは続ける
「他の奴には、タカなんて呼ばせないもん」
え、それって……
顔を上げると、優しく笑っているタカと目が合った
「………っ」
恥ずかしくてすぐに目を逸らそうとするけれど
その前に唇を塞がれる
ねぇ、タカ
少しだけ自惚れてもいい?
タカにとって俺は、そういう存在なんだって
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りお(プロフ) - ○○さん» 温かいコメントありがとうございます(^^)。楽しんでいただけて嬉しいです。拙い物語ではありますが、これからもよろしくお願いいたします(^^)。本当にありがとうございました。 (2019年4月14日 22時) (レス) id: 39ae58946e (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 咲凜さん» 初めまして。温かいコメントありがとうございます(^^)。とても嬉しかったです!励みになります(^^)。またよかったら覗いてやってください。本当にありがとうございました(^^)。 (2019年4月14日 22時) (レス) id: 39ae58946e (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - 完結お疲れ様でした!めっちゃおもしろかったです!りおさんの作品は心理描写が上手で引き込まれてしまいます。続編、新作。楽しみにしています(^^) (2019年4月14日 21時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
咲凜(プロフ) - 初めまして、【あいにだかれて】とても面白かったです!手越さんの心情描写がリアルで読んでてすごくド キドキしました!これからも小説頑張って下さい! (2019年4月14日 20時) (レス) id: 05def6a066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りお | 作成日時:2019年4月4日 20時