あいにだかれて

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錦戸side


まぁ、こうなることはわかっとった

俺のもんにしたいって言うのは

嘘と違ったけど

まっすーはゆうをずっと守ってきたんや

そら敵わんわな……





玄関から部屋に戻るとちょうど電話が鳴る

『亮ちゃん！』

「なんや、マル」

『さっきな、シゲちゃんから亮ちゃんの住所聞かれてん。で、ごめん！教えてしもたわ』

「お前、口軽すぎんねん」

『ごめんて。怒ってる？』

「全然怒ってへん。……まぁ、そのせいで振られたけどな」

『えっっっ！！！』

「いちいちリアクションでかいねん」

『だって振られたって……誰に？誰に？』

「元同僚」

『えっっっっっ！もしかして……シゲちゃん？！』

「アホ、ちゃうわ」

『あー、びっくりしたぁ。え、じゃ誰？』

「もー、ええわ。切るで？」

『ちょっと待って待って！今日、飲みに行かへん？』

「おん。ええな。ほな、また後でな」




マルの変な電話のおかげで

センチメンタルな気分が吹っ飛んだ

ふふ

あいつ、なかなか役に立つやん

そういえば、マルって……

シゲシゲ言うとったけど

あいつのこと好きなんか？

まぁ、ええか

会った時に聞いたろ




新しいネタが見つかって

少しウキウキしながら

俺は出かける準備を始めた

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