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増田side


インターホンを押す

『おん』

短い応答の後、ロックが解除された



「俺ん家、誰に聞いたん?」

「……丸山くん」

錦戸くんは、にやっと笑う

「どおりで早いと思たわ。……まぁ、入り」

「手越は?」

「心配せんでも、寝とる」

「……連れて帰るから」

いろいろ言いたいことはあるけれど、

それをぐっと抑える

「まぁ、ええやん。コーヒーでも飲み」

錦戸くんは勿体ぶるように俺をリビングに通す

綺麗に整頓された部屋

「なぁ、まっすー?」

焦っている俺を見透かすように

錦戸くんはゆっくり話し出す

「……なに」

「俺、ゆうの笑っとる顔が好きやねん」

そんなの、俺だって同じだよ

「お前とおるときの幸せそうな顔。好きやねん」

「……え」

「ゆうのこと……頼むわ。フラフラせんとしっかり
捕まえとって」

「錦戸くん……」

「あいつ、俺じゃあかんねん」

「泣かさへんって言ってたじゃん。だから俺は…」

「おん……そのつもりやったけどな。ゆう、ずっとお前の名前呼んでたから。…あの時だって」

“あの時”?

手越が泣いて帰ってきたあの夜のことか……



「あの時も、ずっとお前を呼んでたで?たすけてって……」



だから。

なんなんだよ

みんなして手越手越って

なんで、そんなにあいつに甘いんだよ

小山やシゲは仕方ないかもしれないけど

錦戸くんも、大貴まで

あいつにめちゃくちゃ甘いなんて

おかしいだろ



「……悪かったな。試すようなことしてもて」



堪えきれずに涙を流した俺に

錦戸くんは少し鼻声で呟いた

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りお(プロフ) - ○○さん» 温かいコメントありがとうございます(^^)。楽しんでいただけて嬉しいです。拙い物語ではありますが、これからもよろしくお願いいたします(^^)。本当にありがとうございました。 (2019年4月14日 22時) (レス) id: 39ae58946e (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 咲凜さん» 初めまして。温かいコメントありがとうございます(^^)。とても嬉しかったです!励みになります(^^)。またよかったら覗いてやってください。本当にありがとうございました(^^)。 (2019年4月14日 22時) (レス) id: 39ae58946e (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - 完結お疲れ様でした!めっちゃおもしろかったです!りおさんの作品は心理描写が上手で引き込まれてしまいます。続編、新作。楽しみにしています(^^) (2019年4月14日 21時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
咲凜(プロフ) - 初めまして、【あいにだかれて】とても面白かったです!手越さんの心情描写がリアルで読んでてすごくド キドキしました!これからも小説頑張って下さい! (2019年4月14日 20時) (レス) id: 05def6a066 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りお | 作成日時:2019年4月4日 20時

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