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増田side


再び鳴り響く着信音

「……ごめん」

「うん……」

今度は誰だよ……

辟易しながら画面を見ると

今一番 話したくない奴の名前

でも出ないわけにいかない



「…もしもし」

『まっすー?』

「……」

『ゆう、俺ん家におるんやけど』

「……だから?」

『あいつ、全然寝てへんで』

「もう俺には関係ない」

『おん……。せやけど泣きながらお前の名前呼んどるし』

「……っ」

『迎えに来るなら来いや。来やんなら……今度こそ俺がもらうわ。ほなな』



言いたいことだけ言って、錦戸くんは電話を切った

ああ、どいつもこいつも手越手越って。

俺は大貴とピザ食べるんだよ

あいつとは終わったんだよ

てか、あんた〈泣かさへん〉って言ってたじゃん

自分の言ったことに責任持てよ

あいつ幸せにしてくれるんじゃなかったの?



「まっすー?」

「ごめん、食べよ」

「……泣かないでよ」

「え?あ……あれ?」



涙が頬を伝う

なんで俺、泣いてるんだろう

そっと涙を拭ってくれる大貴も

少し涙目になっている

「あのね……、ピザ持って帰ってい?」

「なんで?今から一緒に……」

「行くとこあるでしょ?」

「え……」

「おれね、本当はわかってたんだ。手越くんには敵わないって」

「……何言ってんの?」

「それなのに、少しだけ……欲張っちゃった」

「だから何言ってんだよ」


そっと大貴が俺の唇に触れた


「まっすー……?ありがと。短い間だったけど、しあわせだったぁ」

「なんで……?まだこれから幸せになれるよ」

「……ムリ」

「大貴は俺を幸せにしてくれたじゃん。なんでそんなこと言うんだよ……」



大貴は全て吹っ切れたように、笑顔で立ち上がる


「“たか”。……早く行ってあげて?手越くん、待ってるよ」

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りお(プロフ) - ○○さん» 温かいコメントありがとうございます(^^)。楽しんでいただけて嬉しいです。拙い物語ではありますが、これからもよろしくお願いいたします(^^)。本当にありがとうございました。 (2019年4月14日 22時) (レス) id: 39ae58946e (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 咲凜さん» 初めまして。温かいコメントありがとうございます(^^)。とても嬉しかったです!励みになります(^^)。またよかったら覗いてやってください。本当にありがとうございました(^^)。 (2019年4月14日 22時) (レス) id: 39ae58946e (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - 完結お疲れ様でした!めっちゃおもしろかったです!りおさんの作品は心理描写が上手で引き込まれてしまいます。続編、新作。楽しみにしています(^^) (2019年4月14日 21時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
咲凜(プロフ) - 初めまして、【あいにだかれて】とても面白かったです!手越さんの心情描写がリアルで読んでてすごくド キドキしました!これからも小説頑張って下さい! (2019年4月14日 20時) (レス) id: 05def6a066 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りお | 作成日時:2019年4月4日 20時

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