本気なんて出さないよ ページ20
.
ヒサメ side
重い空気のなか、Aちゃんは話始めた。
A『私、願いがあってさ.......。』
ヒ「願い?」
A『うん.........。セカンドロットの混血児達が.........寿命を削らずに、長く生きられて......こんな世界からも解放されて、自由になれる.........皆が幸せになれる.....そんな日が来て欲しいって願い。』
ヒ「.........。」
A『.........私さ、怖いんだ。寿命を削って、皆がいなくなる.........それが、怖いんだ。』
ヒ「Aちゃん.......。」
辛いと思っているのはきっと皆同じ。でも、Aちゃんが感じているのは、恐怖。
明るく振舞っているAちゃんはきっと、本当は悲しいと、寂しいと、思っているのかもしれない。
ヒ「その願い.........私が叶えるよ。」
A『え?』
ヒ「.........その願い、私が引き受けるから。
だって、私.........カレコレ屋だもん。それに.......大切な人の願いくらい、叶えたいから。」
A『?!.........そっ...か...............。』
A『じゃあ.........この願い、依頼しても.....いい?なんて........)))ヒ「もちろん!!!」
A『えぇ.........本当に引き受けるの?』
ヒ「やるよ!!!Aちゃんがいいって言っても!!!絶対!!!」
A『それ依頼の意味無いじゃん.........。』
笑顔を浮かべるAちゃん。今日久しぶりに会って、初めて本当の笑顔を見せてくれていた。
A『.........カンナの事も、よろしくね。』
ヒ「うん.........。」
私の頷きを見たAちゃんは立ち上がって、村があった方角に進んだ。
ヒ「何処に行くの?」
A『.........んー.....私にとって、大切な人の所.....かな。』
ヒ「え、それって.........。」
A『ヒサメにもいるっけ?........”.気になる人。”』
ス「おいおい、まさか、仲間置いて行く気か?」
A『カンナは起きてないし、多分もう、熱もされてるよ........それに、ここにいるお人好しさんが手を出す事もないでしょ？』
そう言って行こうとするAちゃん。
でも、スズキ君はまだ質問をした。
ス「.........なんで本気を出さなかった...............お前なら、俺らを捉えることなんて余裕だろ。」
A『............何、”半径1kmにもなる大爆撃で粉々”にでもなりたかった？』
ス「は?!!」
A『悪いけど私は本気は出したくないの。』
そのまま蝙蝠になって行ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱんだ - すっごく面白いです！こんな作品を作っている作者様に尊敬しかありません！ずっと応援してます！ (2022年9月4日 17時) (
レス) @page22 id: 13de8b8d55 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ - おもしろいです！敵側の小説ってあんまりないから見ててワクワクしました！アハト君…しゅき(( 作者様のペースで更新頑張ってください！！ (2022年8月14日 16時) (レス) id: 4fca5b8289 (このIDを非表示/違反報告)
エルフ - 続きを待ってます！ (2021年11月18日 16時) (レス) @page3 id: fee9a99fc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yumui x他1人 | 作成日時：2021年9月18日 19時
