いつもより冷たい手[後] ページ6
「楽しかったー！ねーアダムどっちが勝ったー？」
30分もするとようやく満足したのかメグメグさんが勝敗を聞いてきた
「メグメグさんですよ、47点です」
「やったー！ハビー、お家入ろー！」
手袋を取り、寒さで所々真っ赤になっているAさんの手を握ってみると、私と同じ位冷たかった
「…手がとても冷たいですね」
Aさんが私と一緒だと笑顔で言うので、少し嬉しいと思ってしまったが
「ダメです、雪に触る時は手袋をしなければ手がしもやけになってしまいます
それに今のAさんの手は私と全く同じ冷たさです、酷いしもやけになるかもしれませんよ」
そこまで言うとAさんはしょんぼりとしてしまった
「…まぁ、30分以上も雪玉をしていれば どんな手袋を付けていても、しもやけになってしまいますか…」
メグメグさんがあまりにも元気すぎる、メグメグさんもメグメグさんでしもやけになっていないか気になるが
家に帰り、Aさんの手を見れば凍傷になりかけている事がすぐに分かりました
「Aさん、痒みや痛み等はありますか？」
頷いたので軽い凍傷で間違いはないだろう、軽度なのであればしもやけと同じ対処で大丈夫だ
「薬を持っていくのでコートを脱いだらリビングで待っていて下さいね…と言いたい所ですが、手もまともに動かせませんよね」
Aさんのコートのボタンを外して脱がせ、脱いだコートは玄関のハンガーにかけておく
「それでは医務室に行きましょうか」
Aさんの凍える手を引いて医務室へと向かう
医務室の中では、Aさんをソファーに座らせてしもやけ用の外用薬を探す
「触りますね」
Aさんの指1本1本に薬を塗る
こうしてAさんの手を触っていると、私とは比べ物にならない程指が細いと感じる、掌だってこんなにも小さい
そんな事を考えている私に突然謝ってくるAさん
「この冷たい手を処置するのが私以外の男の人だったら、怒っていましたね」
この手を触れるのでさえ私だけであってほしいのです
「次から素手で雪に触る様な事はしないで下さいね」
薬が塗り終わったので、ほんのり暖かくなってきたAさんの指にキスを落とす
「それにしても私の手には触れられるのに、雪には触れられないというのは変な話ですね？」
なんて言うと、驚いた事にAさんが冷気を感じないのではなく、私の手が暖かくなっているから触れられるのだと
「それは…きっとAさんだからなのでしょうね」
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リオ(プロフ) - のっきさん» アダム｢是非お楽しみくださいませ｣ (2019年4月16日 16時) (
レス) id: 967c811918 (このIDを非表示/違反報告)
のっき - 新シリーズ…！めちゃくちゃ面白いです！！ (2019年4月14日 18時) (レス) id: c9f0456c30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオ | 作成日時：2019年4月8日 4時
