１８話 船長〈中編〉 ページ19
エースと白ひげの戦いもそろそろ終盤、私はエースの出方をうかがっていたが。
彼は元スペード海賊団のみんなの目の前で、「トリアン！」と呼んだ。
そして、彼は私たちの正面で頭を甲板に当てた。
みんながどよどよする中、私、白ひげ、デュース、は見つめる。
「おれは、お前らの期待に応えれなかった！！おれのために、命を張ってくれたり、怪我を手当てしてくれたり、飯を作ってくれた！！お前らには、海に出てから計り知れない恩をもらった！！だけど、悪い！！！おれは、この船に…白ひげの、オヤジの船に乗りてぇ！！スペード海賊団の船長だったけれど、お前らが求めているおれで居続けられなかった！！すまねぇ！！！」
彼は涙をこぼしながら、私に言う。
「…エース、いや…船長。この先の航海で、この船に乗って後悔するかもしれない、つらい思いをするかもしれない。守るものが増えるんだから、その分大変だよ。それでも、あなたは乗りたいの？私は船長と副船長、仲間のみんなと一緒に航海するの、悪くなかったんだよ。楽しかったし。」
「ああ、おれも同じ気持ちだ！」
「…なら、聞くけれど。船長がこの船に乗らなくても、私たちの海賊旗を白ひげさんのにすればいい話。そうしたら、自分らしく航海できる。でも、それをしない…それはなぜ？傘下の海賊も大勢いる。それでも…白ひげさんの船がいいの？」
彼は生唾を飲み込み、「ああ！おれはオヤジに変えられた！！だから、おれは…この船で、この船の旗を背負いたい！！」と、言い放った。
すがすがしい、そう隣にいるデュースが言う。
ほかの奴らも、認めていた。
「…トリアン、お前も認めたらどうだ？」
「あのね、私は誰かの娘になるつもりなかったのよ？それに、エースが戦い続けると思っていたし、何より裏切られた気分だよ。」
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作者名：リンリン | 作成日時：2021年2月9日 20時
