弓織る彼女〈ワンピース〉 (ページ11)

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１０話ページ11

マルコの顔面に弦が鞭を打つ。音速以上に速いそれが、彼の頬肉をわずかに削ぐ。

「！？」

速度に乗せられた攻撃ははるかに高く、その時から彼に向って幾度の攻撃が折り重なる。

上から、下から、背後と右方向から迫る死、マルコだからこそ生きて、避けれていたが。

わずか数秒でマルコの腕が切られた。

「安心しろ、覇気をまとっていない。さすがにあんたを怪我させたら白ひげが五月蠅い。」

私はさらに速度を上げる。

避けれていた彼だが、速度が上がるにつれて怪我を負う数も増える。

私が空中に跳んだ。

上空からの攻撃。彼は反応するが、私の技はもう出ている。

彼女の最大限細く、しなやかにさせた弦が、竹籠のように重なる。

「”輪転籠”」

砂浜はクレーターを描き、突風が起こる。

そして、マルコは全身に受けていた。

青い炎が彼を治している。

「…まだ再生力があるのか…。面倒な能力だな。」

「ふっ…そんなこと、百も承知だよい…。」

「そうか、なら問題ないか。」

私は弦を毛糸玉のように丸く収縮し、マルコに向けて拡げた。

”蜘蛛の巣”よりも強力な捕縛の技。そして、強力な殺傷力。「”大蜘蛛の巣型”」

弦に乗せられた鋭さは本物、そして彼の体を刻めるように覇気をまとわせた。

「！！」

「マルコ！あぶねぇ！！！」

サッチたちが言う。

でも白ひげは手を出させなかった。