BigHitのつれないあの子、 (ページ31)

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この人から呼ばれるときはろくなことがない。

『なに。』

PD「まぁ、まぁ。そんなイライラしないの。」

私の前に置かれる紅茶。

PD「仲良くやってるみたいだね？特に、ユンギとジョングク、それからテヒョン。」

『テヒョンって、カンテヒョンのことですか？』

PD「他に誰がいるの？ㅎ」
　「キムの方？そっちとは喧嘩したらしいね。」

喧嘩ですって？あれが？
向こうがキレただけじゃん。

『そんなかわいいもんじゃないです。』

PD「アイドルも悪いもんじゃないでしょ。」

『さぁ、。』

PD「またそうやってツンツンしてさ。そろそろ直んないの？それ。」

『…気が向いたら直します。』

ニコニコしながら私の顔を見てくるメガネダヌキ。
本当に狸に似てる。もし会社のオリキャラ作るなら狸がいいと思うんだけど。

『で、なんのようですか。』

PD「うん。土曜日に大きな音楽番組があるのは知ってるよね？」

『あー、はい。』

PD「それにXとして出ないかって話。」

『却下。』

PD「随分食い気味な"却下"だなぁㅋㅋㅋㅋ」

なんでそんな急に…。
てか、出演者決まってるんじゃないの？

『…なんでそんな話、』

PD「実は出演者の一人が怪我してしまってね、出れなくなったんだよ。それのピンチヒッター。」

『…へぇ、それはそれは。ご愁傷様だこと。』

PD「いい経験になると思わない？これから先一切メディアに顔を出さないつもりでも。」

考えたことはある。
もし、私がカメラの前に立ったらファンのみんなはどんな反応をするんだろうって。

『でも、姿を晒すのは気が乗らない。』

PD「全部ライトを落としてAのところだけライトを垂直に当たるようにすればいい。キャップでもかぶってれば顔は影で隠れる。」

姿を晒さない方法を考えてまでくれてたのか。

『…歌ってみたい気持ちはあるんです。新しい刺激にもなるだろうし、曲作りにも活かせるだろうから。』

PD「ダンスもする？ㅋㅋ」

『私はＸであって、まだアイドルじゃないから。』

PD「どうする？無所属で出る？BigHitで出る？」

は？

『待て待て待て。え、なに、？BigHitで出るって何？』

PD「デビューしちゃう？ってこと。」

この人、阿呆だ。