BigHitのつれないあの子、 (ページ12)

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たくさんのモノを含みながら忙しく動くジョンソクの口。それが昔から変わってなくて、安堵を覚える。

何に対する安堵なのかはわからない。だけど、彼の前以上に自分を晒してる空間はないだろうな。

そんなジョンソクは涙ぐみながら韓ドラを見ている。

『…韓ドラ、すきだね。特に恋愛モノ。』

JS「Aも、もう少しドラマ見て恋について勉強するべきだよ。」

『なんで。』

JS「ラブソング一個もないじゃん。」

『なくていいよ。甘ったるい歌詞嫌いだし。』

JS「じゃあもっと過激な歌詞にする？」

過激だろうが、甘ったるかろうがラブソングは多分かけない。恋愛したことないし。

JS「で、本物かっこよかった！？」

『なんの。』

JS「BTSだよ！」

『…さぁ、どうかな。ほとんど喋ってないし。』

"えー、もったいないよ！"とぶつぶつ言ってるジョンソク。

何がもったいないんだか。

JS「仲良くなったらユンギさんとかと一緒に曲作れるかもしれないのに。」

『…別に興味ない。』

JS「えー？ㅎㅎ 嘘だよ！ちょっと目伏せたじゃん。ちょっとだけ気になったんでしょ。」

『人との合作ってどんなんかなって思っただけ。』

JS「おねがいしてみれば？」

『会社ではアルバイト設定だから。』

バイトだから、アシスタントだから、いくら会いたくなくても会わざるを得ない。

それがほんとにだるい。

JS「話しかけやすいのは多分ジンさんとホソクさんとジミンさんだと思うよ。」

『…話しかけないから。』

JS「いつか話しかけたいって思ったときのためだよ。」

話しかけたいだなんて思うだろうか。

JS「…疲れたの？」

『まぁ、なんかすごいよく喋る人たちの相手してたから疲労困憊…。』

JS「すごい喋る？」

『Tのパクさんを尊敬するよ。』

JS「…え？なにそれ、」

なんか雰囲気的に質問攻めに遭いそうなので私は空になった食器を手に席を立った。

JS「ねぇ！ちょっとぉ！！」

『ごちそうさま。』

JS「ねぇ、何そのTのパクさんって！SとGとVのパクさんもいるのー？」

いねぇわ。なんだそれ。

自室に戻ってスマホを見ると嫌な予感がして、ひらくとやっぱりそれは的中していた。