episode 1 ページ3
Aside
推しが出来てから半年経った。
私はと言うと親友の乃愛と一緒にカフェでお茶をしていた。
乃愛「A、聞いて！？」
「ん〜？どしたの？」
乃愛「推しが尊い。」
「それは良かったね〜」
なんて馬鹿みたいな会話をする私達。
ちなみに乃愛の推しは私が推しているグループ“すとぷり”のななもり。くんとジェルくん。
私が強烈に推し布教をして、乃愛も好きになってくれた。周りに推しを語れる人、中々居なかったから凄く嬉しい。
「ねぇ、乃愛。」
乃愛「なんすか？A」
乃愛の口調が変なのは触れないでおこう。
いつもの事だから。
「これから先、すとぷりが凄く大きくなって、全国、況してや世界に羽ばたいたりしたらさ、乃愛はどうする？」
乃愛「どーするって、今まで通り推し続けるけど？Aは？」
「私も。すとぷりがこの先何年、何十年も続くように、私達が精一杯応援しようね。」
乃愛「ん？当たり前でしょ？」
そう言いながらドヤ顔をしてこちらを見る乃愛。そうだよね。そう来なくっちゃ。私達、リスナーさんの役目は推しをたくさん応援して、推しにたくさん愛を伝えること。すとぷりは個性豊かでわちゃわちゃしてて可愛くて面白いからすぐに人気になりそう。
この先、ライブとか握手会とかも増えていくだろう。なんなら全国ツアーも夢ではない気もする。その時は毎公演ちゃんと取って、成長し続ける皆の姿をしっかりと見ようと思う。ファンサ貰っちゃったらどうしよう。あわよくば認知されたりオキニになっちゃったりして！？
なんて、叶いもしない願い事ばかり考えている。
乃愛「A、お互い頑張ろうね。」
「ん？うん。」
乃愛「あーーー！！ごめっ！もう時間だ。マジでごめんね！？また今度たくさん話そ！お先に！じゃ、また！！」
「え？あ、気を付けてね〜！」
嵐のように去っていった。
この後、高校の時の先輩と会う約束してるんだって。乃愛が帰ったことだし、私も帰ることにした。お会計を済ませ家へと歩き出した。
？？「あの、ハンカチ、落としましたよ？」
「え？あ、ありがとうございます。」
？？「いえいえ。では。」
ハンカチを拾ってくれた好青年は用事でもあるのかそそくさと帰っていった。にしても、声が莉犬くんに似ていた気がするんだが...？
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作者名：夢神様。 | 作成日時：2022年12月28日 23時
