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「A…?」
真司郎との電話を終えてすぐ、前の方から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
この声って……
いやいや、違うよね……
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「A……」
今度はしっかりと、でもどこか優しく名前を呼ばれた。
街頭が、“彼”の顔を照らす。
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『しゅ…た……』
「A……」
目が合うと、逸らしたいのに逸らせなくて、私はただ秀太を見つめていた。
幼さはなくなっていて、少し大人っぽい顔立ちになっているし、声も少し低くなっている。
でも、声を聞いただけで秀太とわかってしまった自分に、少し驚きを覚える。
いや、そんな自分に嫌気がさす。
忘れたいのに……
“ワスレラレナイ”
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「A……。久しぶり…だな」
『そう…だね……』
気まずい雰囲気が漂う中、俯くしかできなかった。
"なんでいるの?"
1番の疑問すらも言えないまま。
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「秀太……?」
しばらく無言の時間が続いた時、前の方から息を切らした真司郎の声が聞こえてきた。
走ってきてくれたのかな……
ていうか、2人は会っちゃダメなんじゃ…
色んなことが頭の中をぐるぐる回って、私はなにも言葉にすることができなかった。
「真司郎……」
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なっちゃん - おなじなっちゃんどうしがんばりましょう。これからもおうえんしてます。 (2016年9月9日 19時) (レス) id: 27bcb3a5e1 (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん(プロフ) - 更新頑張ってください!個人的に與オチが良いです! (2016年6月25日 22時) (レス) id: 449a7d9022 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 直也くんとくっつけて欲しいです。お願いいたします。 (2016年4月14日 20時) (レス) id: 60b38fad86 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 未歩さん» ありがとうございます!そうですね!待っていてください(*´`)更新がんばります!! (2016年3月27日 16時) (レス) id: cf0de2de18 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - たかうの大好きっ子さん» ありがとうございます!この前もコメントしてくれていましたよね(*´`)更新がんばります!! (2016年3月27日 16時) (レス) id: cf0de2de18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっちゃん | 作成日時:2015年12月29日 12時