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プルルルル プルルルル
お互いスマホをいじるという時間がしばらく続いた時、真司郎のスマホが着信を知らせた。
「ちょっとごめんな」
真司郎は、そう言って電話に出た。
私も暇だから、耳をすませる。
悪いとは思うけれど、勝手に部屋に連れて来られたんだから、これぐらいはいいだろうと勝手に正当化した。
「もしもし」
<あっ、與さん!大変です!>
「なに?忙しいねんけど」
真司郎の不良の後輩かな?
『與さん』って呼んでるし。
<実は、川口たちが勝手にケンカしたらしくて……>
「は?誰とや」
そのとたん、真司郎の顔つきが真剣なものに変わった。
やっぱり、不良のリーダーなのだと思い知る。
たぶんだけど。
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<それが、あのホワイトタイガーの西島と日高らしくて……>
『えっ!?』
思わず大きな声が出ていて、慌てて口を抑える。
西島と日高って、にっしーとだっちゃん……?
あの2人も不良だし…
でも、『ホワイトタイガー』ってなにかな?
グループの名前とか……?
「ちょっと待ってな」
すると、真司郎は一旦後輩との電話を中断して、私と向き直った。
今の聞かれてたか……
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「ホワイトタイガーの西島と日高…、知ってるんか?」
『し、知らないよっ』
「そうか」
それだけ言って、真司郎はまたスマホを取り出す。
「ごめんな。で、どっちからや?」
<なんか、川口たちかららしくて……>
「そうか。俺もすぐ行くから、場所送って」
<はい>
そして、真司郎は電話を切って準備をし始めた。
ケンカ…するのかな……
「Aも来い」
すると、ふと手を止めた真司郎は、私の目をまっすぐに見据えた。
『え、え!?なんで?』
「俺の女やから」
『だからって……』
「言うこと聞かんのか?」
そのとたん、真司郎の目が光ったような気がして、私もすぐに準備を始めた。
「バイク乗るで」
『え、私乗ったことない……』
「俺のうしろにつかまっとくだけやから」
真司郎は私にメットを渡すと、そそくさとバイクにまたがった。
「はよして」
『う、うん……』
しぶしぶ私もまたがると、バイクは猛スピードで走っていった。
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なっちゃん - おなじなっちゃんどうしがんばりましょう。これからもおうえんしてます。 (2016年9月9日 19時) (レス) id: 27bcb3a5e1 (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん(プロフ) - 更新頑張ってください!個人的に與オチが良いです! (2016年6月25日 22時) (レス) id: 449a7d9022 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 直也くんとくっつけて欲しいです。お願いいたします。 (2016年4月14日 20時) (レス) id: 60b38fad86 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 未歩さん» ありがとうございます!そうですね!待っていてください(*´`)更新がんばります!! (2016年3月27日 16時) (レス) id: cf0de2de18 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - たかうの大好きっ子さん» ありがとうございます!この前もコメントしてくれていましたよね(*´`)更新がんばります!! (2016年3月27日 16時) (レス) id: cf0de2de18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっちゃん | 作成日時:2015年12月29日 12時