【進撃の巨人】孤独の果てには何がある？season２ 【男主】

ep60 「夜明けに」 ページ19

「ソニィィィィイイ！ビィィィイン！あぁあああぁあ！」

時すでに遅し。
俺達が来た時にはとっくに被検体の巨人は殺されていた。

「嘘だろ…兵士がやったのか？」

「あぁ、犯人はまだ見つかってないって」

夜明け前に2体同時にやられたらしい。
しかも立体機動で。
つまりこれは兵団の誰かがやったってことだ。その誰かは、スパイということにもなる。

…犯人はすぐそばにいるかもしれないし、いないかもしれない。

ハンジさんもご乱心だ。
そりゃああんなに大事にしてた被検体が夜明けに殺されるだなんて思わなかっただろう。

ただ、その犯人は見張りが気づく前に殺して遥か遠くへ逃げたのだから相当な実力者、そして立体機動について細かく知り尽くしているということだろう。

「貴重な被検体なのに…一体どこのバカが…」

「バカじゃなかったら何なんだろうな…見当もつかんよ」

…被検体を失うのは割と痛い。
何せ巨人の構造を知り尽くせなくなったのだから。

「ギルア」

すると自分を呼ぶ声が聞こえた。
振り返るとそこには団長…エルヴィン団長がいた。

『…団長、どうしたんでしょうか』

「…君には何がみえる？」

『…は？』

いきなり何を言って…

「敵は何だと思う？」

『…はい？』

そんなの急に言われても…なぁ

「……すまない、変なことを聞いたな」

そういうと団長は人込みに紛れていった。

『…なんだったんだ、あの人……』


“敵は何だと思う？”

“君には何が見える？”


俺には…何も分からない。
あの言葉にどんな意味があるのか。

「ギルア、エレン、行くぞ」

そう考えている内に、リヴァイ兵長がやってきた。

『…あ、はい…』


…団長には、一体何が見えているんだ？

ep61 「揺らぐ覚悟」→←作者より。

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