SECRET MIND 5【SEVENTEEN】

SECRET OF MINGYU【番外編】 ページ6

まだ、純粋でキラキラした未来に希望を抱いていた頃

君に出会って、だんだん輝きが増した。

でも、アイドルとしての年を重ねるにつれて、目を背けたくなる現実もあった。



その度に手を握ってくれたのがAだった。



何も言わず、無表情だけど、耳を赤くしてるんだ。


これは俺とAしか知らないが、

初めてアイドルに絶望した時があった。


新人アイドルとして、世に出始めたとある日。


テレビ局の廊下、目の前の光景にただ立ち尽くすしかなかった。

憧れた先輩とプロデューサーさん。



動かなきゃ、ここにいてはいけないと思っても体が動かなくて。


「こんなとこ、貴方は見ないで。」ｺｿｯ


気づけば、あの忌々しい所からAが手を引いてくれていた。




「…はい、水。飲んで。」



MG「ありがとう…」ｺﾞｸｯ




“こんなとこ貴方は見ないで”



その言葉に引っ掛かった。俺らよりも経験があるAはもしかしたら…



MG「A…俺、」



「…」ｷﾞｭｯ




「こっち見ないで。」



ただ優しく、手を握って




「大丈夫。あんなマネ、私がさせない。だからアイドルに絶望しないで。」



もしかしたら思い過ごしかもしれないが、なんだか涙目で声が震えてた。


それから俺に何かあった時、察したかのように来て、落ち着かせてくれる。


気づけば、この人だけには絶望されない人間になりたいと思った。

彼女の心に触れようとする度、芽生えてはいけないものが生まれた。

何度も摘んだけど、ダメでもどかしくて、自分に絶望した。


そんなことも知らない君はまた俺をダメにして、とうとうあの日がやってきた。



正直、ダメなものわかってて、彼女もダメなのはわかってるけど

俺は止められなくて、幸福と背徳を特別な繋がりを得た。



彼女は優しい。




MG「Aは、もし他に求められたら…どうする？」


「…応えない。大丈夫、貴方だけよ。ミンギュヤ」ﾌﾆｬ



MG「…パボ」ｷﾞｼｯ


彼女は甘くて、俺は苦い種



気がつけば、触れたい心は更に遠くなって行ったけど



これでいい。



今日も俺は大人に求められるミンギュを生きる。


そして、君が言ってくれたらそれでいいんだ。




「ミンギューーー！！！」




そして、気づけば俺の横で笑ってくれたら、いい。









もう戻れないから、







胸の痛みは君の肌に触れれば消えると知ったから









それでいい。

コソコソ見るファンタジー_you→←NORUDARA＿」WZ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す