見上げた夜を越えて_WZ ページ26
屋上のベンチ
今日は満月で、その光を一身に浴びて
｢あ、ジフナ！久しぶり｣
なんて、ふにゃっと笑ってイカのつまみを齧るこの女は、カン･A。 SEVENTEENにとって、俺にとって、かけがえのない存在だ。
WZ｢…あいかわらず｣
｢久々の再会がそれ！？つれないなぁ…｣
振り絞った言葉のセンスの無さに
少し、いやだいぶ落ち込む。
前よりかはだいぶ落ち着いては来たのだろうが
それでもなんか、やつれてて前のAじゃないんだって、そう強く思った。
｢変わらないよ、私は。｣
WZ｢…｣
しまったと思った。
小さく笑って俯く君を
綺麗だと思った。
WZ｢下向いたら、綺麗な月が見えない｣
｢…フフッ、そうだね。｣
そう笑って、月を見上げようとする君の
頬を優しく包んで、
俺からキスした。
そしたら、君の目から一筋涙が流れるから
親指で掬って、目を合わせて
優しく、時間を、Aをゆっくり確かめるようにキスをした。何回も何回も、お互い、確かめるように。
まだ夜は明けない。
小さな体を手繰り寄せて
Aが預ける体重を後ろからしっかり
受け止めて、愛しい気持ちが溢れて
後ろから伝わりそうで、怖かった。
｢ジフナ…｣
WZ｢…ん？｣
｢私ね、アメリカ行って治してくる。｣
｢いつ戻ってこれるかわかんないし、治るかもわかんないし、みんなに会えないし、今みたいにジフナもあっためてくれないけど、｣
｢また、曲が作りたい。ステージに立ちたい。｣
｢いつかまた、歌ってもらうんだ。みんなに｣
｢だから、行ってくるね。｣
WZ｢みんなじゃなくて、歌う時はAも一緒。｣
｢そっかㅋㅋ｣
夜が明けて、もうすぐ終わる。
ずっと、見て見ぬふりをしてきた気持ちに
蓋をしなければならない。
｢今日のことは、もう、気持ちに蓋をするから｣
｢だから気にしないで｣
そうやって、寂しそうに笑うから
でも、手はとめた。
じゃないと、Aが遠回りに伝えてきた言葉を無視することになるから。
俺ももう、蓋をして消さなきゃ。
WZ｢ミンギュじゃなくて、俺にしたら｣
｢知ってたかㅋㅋㅋ｣
言うつもりはなかった。でも悔しかった。
知ってるのは俺だけだ。これは確実に。
｢もう、なにもないよ、みんな。｣
寂しく音を立て、気づけばAは消えた
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ぴゃん(プロフ) - 素敵なお話で一気に読んでしまいました！続きが読めたら読みたいです。またいつか更新されたら嬉しいです。 (11月9日 12時) (
レス) @page32 id: ae92b4105a (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます！！もう一気に見ちゃいました！！出会えて本当によかったです（ ; ; ）主人公ちゃんに貢がせてください(やめてください)これからも応援しておりますm(_ _)m (2021年8月19日 17時) (レス) id: d6ffc1910c (このIDを非表示/違反報告)
えーや(プロフ) - こんにちは♪立て続けの更新嬉しいです(o^^o)最近はジフナそう来たか！と思ったり笑、ミンギュどうなるのかな？主人公ちゃん・メンバーはどんな結末を迎えるのかな？など考えつつ、ドキドキしながら読ませていただいてます(≧∇≦)引き続きお話を楽しみにしてますねー！ (2020年8月16日 0時) (レス) id: 0db6c1127a (このIDを非表示/違反報告)
かきのたね。(プロフ) - えーやさん» ありがとうございます！！！嬉しすぎる私なんかのペンなんて(T＿T) 頑張ります！ありがとうございます！！ (2020年5月26日 0時) (レス) id: cd761b8fce (このIDを非表示/違反報告)
かきのたね。(プロフ) - えーやさん» ありがとうございます！！！嬉しすぎる私なんかのペンなんて(T＿T) 頑張ります！ありがとうございます！！ (2020年5月26日 0時) (レス) id: cd761b8fce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かきのたね。
| 作成日時：2020年4月30日 17時
