木槿のふたり (ページ6)

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緊張の初出勤ページ6

日本に帰ってきてから1週間。
先輩が「しばらくはゆっくりしなよ」と言ってくれたので、この1週間はお言葉に甘えて久々の日本を満喫した。

そして今日は、記念すべき初出勤。
先輩の会社は主にコンサートの演出や、イベントの運営をしている。
海外のチームを紹介したりするのも仕事のひとつ。

私はあるコンサートの演出チームに参加してほしい、とだけ聞かされている。
詳細はまだ教えてもらっていない。

「おはようございます！」
「お～！A！こっちこっち！」

オフィスに入ると、先輩が出迎えてくれた。
「うち結構自由だからさ、自分のデスクとかないんだよね。全部自由。」

会社、といっても結構ラフな格好で、広いオープンスペースもある。
TOXに合い通じたものを感じて、少しホッとした。

「じゃ、今から早速Aに参加してもらうチームの会議あるから行こう。」
「えっ？もう？なにも知らないのに…」
「大丈夫！ほらっ」

そう言って入った会議室には、ホワイトボードに『嵐ドームツアー』の文字が、でかでかと掲げられていた。

「え…、」

「みんな！この子今日から一緒に働く俺の後輩、朝倉A！よろしく！」
「よ、よろしくお願いします！」

お願いしま～す！と、一通りチームの皆さんの自己紹介を経て、いよいよ本題の会議が始まった。