木槿のふたり (ページ34)

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救世主はハリウッドスターページ34

「え〜と、ひとまず、無事に折りかえしです！お疲れ様でした！カンパ〜イ！！」

大野さんの挨拶に合わせて、かんぱーい！と色んなとこから聞こえる声。

無事に札幌、名古屋、京セラでの公演を終え、残すは福岡と東京、となった日の夜。
"中打ち"という、中間打ち上げのようなものが開かれている。

「サム！この日本酒うまいぞ！」
「ホント？！…………クゥーーーーッ！」
「ガッハッハッ、一気はだめだよ〜」

「おっ！海外リーダーもいっちゃうの？！」
「ユー、勝負ダッ！！」
「おっしゃ〜ッ！負けんぞー！」

海外チームも、ずいぶんと日本スタッフと馴染んできている。肩もがっしり組んだりしちゃって。

「もう随分とチーム感出てきたね」
隣の席に座ってるウィルが、ウイスキー飲みながら耳打ちしてくる。

「うん、それは良かったんだけど…あれは完全に飲み過ぎだねぇ…」
「Aも昔、あったよね」
「え〜、あったっけ？」
「ホラ、2人してボスに怒られてさぁ〜」
あは、あったあった！なんて笑っていたら、突然向こうのほうの遠い席から二宮さんがやってきた。

「そこのお二人さん〜、ちょっと2人だけの世界に入りすぎじゃない？」
なに？ふたりは付き合ってるの？なんて笑いながら、正面の席に座る二宮さん。

「付き合ってません」
「あ、そうなの？」
ふーん、そうなんだ、とハイボールをひとくち飲んだ。
ウィルは日本語分からないから、隣で微笑んでいる。

「ザ、レターオブイオウジマ、知ってる？」
「イェスイェス！」
「アイアム、ハリウッドスター！」
「ワォ！アメィズィーング！」
ウィルが携帯で画像を見せて、二宮さんがそうそう、それ！なんて笑っている。

「ほら、今Jあそこのテーブルいるよ」
「え？」
「お疲れさまでした、くらい言ってきたら？」
「いや…今なんかお話されてますし」
「んも〜、アメリカ帰りの女にしてはガッツがないんじゃないの」

な、なんと。
二宮さんって結構毒舌〜！！なんて思いながら、向こうのほうで楽しそうに話している松本さんを見ていた。