木槿のふたり (ページ32)

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仕事の流儀ページ32

穴があったら入りたい、とはまさにこのことで。
あまりの衝撃に、しばしボーゼンとする。

「あ、翔ちゃん！この子この子！！」

聞き慣れた声に振り返ると、キャップを横向きに被って少年みたいな格好の二宮さん。
と、その後ろには新聞を何紙も抱えた櫻井さん。

「え？この子が？」
ふぅ〜ん、と櫻井さんに顔を覗き込まれる。
え。なになに。

「お、おはようございます…」
松本さん以外の嵐メンバーとは、殆ど話したことはない。
打ち合わせで数回、一緒だったくらいで。

「おはよ、Aちゃん」
「えっ、なんで名前…」
二宮さん、なんか怪しい顔してる。

「そりゃあ、うちの可愛い可愛い末っ子が…」
「こら！やめときなさい！あんまいじめないの！」
すかさず櫻井さんが二宮さんを引っ張りながら、楽屋の方へと去ってゆく。

な、なんだったんだ…？

頭の中"？"でいっぱいの私に、「君がAちゃんかぁ〜」と、のんびりした声が。

「お、大野さん…おはようございます」
「んはよぉ〜」
いつにも増して眠たそうな…。

「あ！リーダー！ん？この子は？」
ちょっと遅れて相葉さんまで登場。

朝から嵐コンプリート！なんてそんな浮かれた頭はしてませんってば。決して。うん…。

「ほら、プロフェッショナル！の子」
「ああ〜！ニノのモノマネの！」

「も、モノマネ……？」

もう頭の上にクエスチョンマーク３つ。いや、５つあるな。多分。

「あは、頭の上にくえすちょんまーく浮かんだ顔してる」
うっ。ズバリ。
「んは、ズバリって顔した」
エスパーか何かなんだろうか。

大野さんは笑うと、これこれ、と携帯で動画を見せてくれた。

＊
「それで、その子すんごい剣幕の英語でブッワーって話したあと、こう言ったんですよ

……………ザッツノットプロフェッショナル！！！！」

「「「おぉ〜ッ！(パチパチパチ)」」」

「いやぁ〜、かっこよかったなあ…」
＊

いや。うん。
もう疑惑は確信へと変わったよ……。

「二宮さん…見てたんですね…そして皆さんももう、ご存知、っていう………」

ああ、恥ずかしくって目眩がする。