凛と、また、凛々と【S×Ｎ】 3 (ページ5)

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今日は朝から気分が優れなくて、二宮が報告に来るタイミングを見計らって喫煙スペースに向かった。

今、二宮と櫻井さんのことをあんな目で見る松潤を見たら、俺の中の嫌な感情が抑えきれなくなりそうだ。

タバコを一本吸ったら自販機コーナーにでも行こうかと思ったけど、

「おぉ、相葉。やっぱりここにおったんか。」

「あ、マル…」

マルが入って来たからそうもいかなくなった。

「…まぁ。なにも聞かへんけどさ。」

マルが、タバコに火を点けながら言う。

「仕事に影響さすなよ。お前のことやで…まぁないとは思うけど。」

「………ん、わかってるよ。」

俺は、マルに何かを話したわけじゃない。

マルが何かを知ってるわけじゃない。

だけどマルは、軽そうに見えて人をよく見てる。

だから…隠し事とかは、あまり通用しないと思う。

「ふぅ…色々としんどいねー…」

「そうやなぁ～…まあ頑張るしかないわな。」

「そうだね。」

「…ふっ、やっと笑ったか。」

「え？」

「ここんとこ、お前の笑顔とはご無沙汰やったからな。」

「……………

やっぱマルには敵わないね(笑)」

「あったりまえや(笑) …あ。」

「？なに？」

「ほら、見てみ。黒スーツたちや。」

マルの指した方に目を向けると、確かに黒スーツたちが歩いているのが見えた。

黒スーツ…櫻井さんを守るように、いや、監視するようにいつもいる人。

初めは気になりもしたし落ち着かなかったけど…今じゃあの人たちがいるのも当たり前のようになってきてる。

「まあ正直あの人たちにも慣れてはきたけど…

グラサンかけとるで顔もよう分からんし。なんや逃走中のハンターみたいや。」

「逃走中のハンターって…(笑) 」

「…なにもんなんやろな。」

真顔で、歩いて行く黒スーツたちを目で追うマルを見て、

俺も黒スーツたちを目で追った。