凛と、また、凛々と【S×Ｎ】 3 (ページ4)

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今日は報告の日。

また翔さんに会える。
自然と頬は緩み、さっきの同僚にイラついていた心も鎮まる。

報告書をまとめ、翔さんのいる刑事課に向かった。

今はちょうど11時。

翔さんが今課内にいるかどうかわからないけど、いなかったらいなかったで探せば良い。

「どーもぉ。報告でーす。」

いつも通りに中に声をかけると、これまたいつも通りに多くの課員にガン見された。

「あぁ、私が。」

やっぱり課長はいなくて、つか総監がそうさせてるって翔さんに聞いたんだけど、

課長の代わりに報告書のチェックを翔さんがするっていうのも
もういつも通り。

「あ。財布忘れた。」

「え。コーヒー。」

「ごめん。」

随分平穏な会話。別になにも特別じゃない。

でも俺たちにはそれが幸せ以外の何物でもなくて。

そんで周りの人たちにとっては大事件並みの会話ってことも俺たちは自覚してる。

「てゆーかね。このワタシが誰かに何かを奢るってところからだいぶあり得ないんだから。そこんとこわかってる？」

「あぁ、そういえばお前どケチだった。」

「節約家と言って。」

「どケチ。」

「おいコラ。(笑)」

俺たちの会話を聞いてる人たちが動揺しているのが伝わってくる。

それで良い。

動揺して、なにもわからなくなって、翔さんの魅力に取りつかれながら近づくことの出来ない自分に絶望すればいい。