凛と、また、凛々と【S×Ｎ】 3 (ページ13)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:136,357 hit

73 Nside ページ13

.

「二宮和也はいるか？」

もう外も真っ暗で、だけど翔さんよりも仕事が早く終わるから合鍵使って部屋に入って、あったかいご飯を作って待っていようと思い帰ろうとしていた。

から。

急に俺らの職場である刑務所に、あの、下っ端刑務官でも知っている黒スーツたちが突然やって来て

俺の名前を呼んだ瞬間。

かーなーり。イラっとした。

「私ですけど。」

好奇と疑念の目を周りに向けられながら、手を挙げた。

「来い。」

真っ黒なサングラスの奥の目が、見えないけれど、細められたような気がした。

「…なんの用です。」

「無駄口はいらん。さっさと来い。」

イラッ。

何様だ、クソ野郎。と思ったけど
口に出すと面倒なことになるのが目に見えていたから、

大人しくついて行くことにした。

警察関係の施設に出入りする人たちだから、危険なことにはならないだろう。

それに俺は、この人たちが危険でないことを知っている。

.

カツ、カツ、カツ、カツ…

5人の黒スーツと、俺の、

たくさんの足音が重なる。

「…悪かったな。帰るところだったんだろう。」

真ん中を歩く黒スーツが、俺の方を見ずに謝罪の言葉を述べた。

「…マツオカさんも大変ですねぇ。まぁこの礼は今度じゅーぶんに貰いますよ。」

「ふ…そうだな。あいつにも謝っておいてくれ。」