凛と、また、凛々と【S×Ｎ】 3 (ページ2)

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人気(ひとけ)の少ない廊下を、ゆっくりと歩く。

カツン…カツン…カツン…

自分の靴音が、やけに大きく響いて聞こえた。

「(あいつ、カズになんかやらかさないと良いけど。)」

総監は嫉妬深い。

特に、俺のようにまだ自らの手に入っていない相手のことに関しては。

「(まぁ釘は刺しといたけど…心配だよなぁ…)」

権力を持っている分、幅広い手段を選べるはずだから。

なにをするか、わからない。

.

「あ、櫻井さん。おはようございます！」

喫煙スペースに向かおうと足を速めると、前から歩いてきた刑事に朝から元気に声をかけられた。

「…おはよう。君は…相葉か。」

「おぉ！覚えてくださってたんですね！」

うるさいの間違いか。

「…名前と顔は全員覚えてる。」

「すごいですね！！」

…いちいち声が大きいのが気に入らない。

「当たり前のことだろう。 …仕事に戻れ。じきにみんな出勤して来る。」

「あ、はい！！失礼します！」

「はぁ…」

声はでかいし仕事の出来も微妙(他よりはまぁ出来るけど)だし

そして何より、

あいつの中にあるなにか良くない感情が、危険だ。