気まぐれな君【飯田リンタロウ】

虫さされ(リクエスト) ページ22

｢ちょっと、Aちゃん｣






リンタロウ君が、何故か不機嫌だ。

いつもより声のトーンが低く、
目はこちらを睨んでいるようにも見える。






『へ…？どしたの？』

｢…その首の赤いの、何？｣

『え、いや別に何でもないし』






これただの虫さされですやん
気にしなくてもええですやん






｢誰に付けられたの？｣

『誰って言われても…』






誰っていうか虫に付けられましたねはい☆






｢…あぁ、そっか、言えないんだね｣







いや言えないというか答えられないというか








『そういう訳じゃな…』

｢あーあ、他の人からキスマークつけられちゃって…
Aちゃんはダメな子だなぁ…お仕置きしないと♪｣







おいおいおいおい何言ってんだリンちゃん最後まで話聞けよ





『んぅっ…！』







無理やり長いキスをされる。息が苦しい。







(…いつもみたいに優しくない)







｢んん…はぁ、で、それ誰に付けられたの？コウ君とか？｣

『え、違うよ、そんなわけないない』

｢…あやしい｣







リンタロウ君は顔をしかめた。

それは彼にしては珍しい表情だったから、
私は少し笑いそうになった。

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