夢を元にした日本人がホグワーツで愉快に過ごす話～賢者の石篇～ (ページ6)

今日:13 hit、昨日:7 hit、合計:31,767 hit

授業じゃ授業じゃ-2（変身術）ページ6

「1人を除き、誰も私の変身術を見破りませんでしたね」

1人を除き、の言葉にヒソヒソ話をする周り。誰が見破ったのか、と。
逆に、自分以外の誰かが猫に話しかけているのを見ていないAは、蒼白になる。

「ミス・カザマ。素晴らしいですよ」
「(やっぱりぃぃぃぃぃ！)」

名指しで褒められ、全員が彼女に視線を向けた。注目されたくないのに！と彼女は頭を抱え自分の軽率な行いを呪った。

「あの、先生」
「何でしょう？」
「わたしは決して変身術を見破ったんじゃなくて、ただ美人さんな猫がいてご挨拶しただけです」

ポカーンとする周囲。ただしAは至って真剣だ。

「………まあ良いでしょう。人以外の何者にも敬意を払うのは素晴らしいことです。グリフィンドールに5点」
「良いのかなぁ…」

少々悩んだ末、5点を入れてくれたマクゴナガル先生に、グリフィンドールの皆は大喜びである。
当の本人、Aのみが、何とも言えない顔をしていた。

「変身術は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険なものの一つです。いい加減な態度で私の授業を受ける生徒は出ていってもらいますし、二度とクラスには入れません。初めから警告しておきます」

教卓に戻った先生は厳格に述べると、机を豚に変え、戻す。多くの生徒たちは、早速試してみたくて、ウズウズとそれを見た。

まずは板書をノートに写し終えると、全員にマッチ棒が配られる。針に変える練習だ。
まあ初っ端で上手くやれるはずはなく、無論Aも例外に非ず。
ふと目をやれば、ハーマイオニーは優秀だった。完璧に成功している。

「ヤベェすげぇ」

そんな彼女を、ついつい羨望の眼差しで見つめてしまうAだった。