夢を元にした日本人がホグワーツで愉快に過ごす話～賢者の石篇～ (ページ4)

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入学しちゃったページ4

1週間経過し、ようやく外国の味の濃い食事にも慣れた頃。ついに入学の日。
真新しい制服に袖を通し、荷物を持ち、キングス・クロス駅に行く。

お馴染み、同封物の切符を見る。9と3/4番線。

「当たって砕けろ！」

一抹の不安を感じつつ柵にアタック。成功。
通り抜けた先には、ホグワーツ特急と、沢山の生徒がいた。

で、何とか汽車に乗れた彼女は、特に誰とも話さず寝た。ガチ寝した。眠かったから。周りは自由に話してるし不都合は無し。
結果、Aはホグズミード駅に着く直前まで、熟睡した。

到着して、ボートに乗って降りて、大きな扉の前に来てマクゴナガル先生の説明を受ける。

「(背高い！そして美人！)」

説明を聞くのに50%くらいしか脳を使わず残りは先生を眺めるのに使っていた彼女は若干ズレているようだ。
その内に説明が終わり扉を潜ると、いざ、運命の組分け！

何人もの生徒の名前が呼ばれ、分けられ、拍手。

「飽きた…」

待ってる間の飽きがヤバい。Aが何度目かの欠伸を噛み殺したとき、やっと名前が呼ばれた。

「カザマ・トコハ！」

真っ直ぐ前を見て歩く。

「(オイ待て何故にザワザワしてる？日本人が珍しいのかそうか)」

中途半端に騒めくのを自己流の心の整理で解決し、組分け帽子が頭に乗せられた。

「(ふむ、優秀そうな子じゃ、レイブンクローかハッフルパフか………はたまたスリザリンでも上手くやれそうではないか)」
「(どこでも良いよ眠いし)」
「(ならば…)グリフィンドール！」
「解せぬ」

眠かった彼女は組分けを丸投げしたのだけど、何故かグリフィンドールになった。確かに丸投げしたほうも悪いが、選択肢に無かった寮に入れられるとさすがにどんな顔をすれば良いのか分からなくなる。
非常に微妙な顔で、Aはグリフィンドールのテーブルに迎え入れられた。

「おいしくない」

全ての組分けが終了し、豪華な料理に手をつけては即顔を歪めた彼女のその言葉は、恐らく誰にも聞かれず喧騒に溶けた。

イギリス料理はおいしくない。常識である。