夢を元にした日本人がホグワーツで愉快に過ごす話～賢者の石篇～ (ページ2)

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わたしは平凡な日本人であって以下略ページ2

2000年代の某年某月。
平和な国、日本のとある家で、その年11歳になる少女が固まっていた。

「ホグワーツ、入学許可証………」

翻訳サイトを駆使し、ついでに母にも手伝ってもらい必死で解読した手紙。
それはかの名高いホグワーツ魔法魔術学校からの、入学許可証だった。

「どうしよう、てか何故わたしに！何故！？」
「落ち着いて落ち着いて」

素晴らしくパニックし母に窘められる少女の名前は風間A。ごく普通の日本人(のはず)だ。

「とりあえずパパに相談してみようか」
「…うん」

さて、困りに困った結果の家族会議。

「学費は一般生徒への免除制度があるらしい。言葉に関しては、この魔法のイヤリングを付ければ大丈夫なんだってさ」
「それより」

滔々と説明するAを遮り、父は問うた。

「安全なの？ヴォルデモートとか」
「ホグワーツの中にいれば安全なんじゃない？」

説明しよう！
ホグワーツに関係する全事項は、日本国でも知られているのである！

「………行きたい？」
「今の学校よりは行きたい」

父の質問に、キッパリ答えるA。実は彼女は、現在通っている小学校で理由の無いイジメを受けて不登校状態になっていた。
両親は互いに見合って頷き、彼女に向き直った。

「じゃあ決まりで」
「ただし、長期休暇には、絶対帰って来る！これ約束！」
「良いの！？ありがとう！」

こうして両親の許可により、Aのホグワーツへの転校が決まった。

で、あれよあれよと言う間に準備は進み、いざ未知なる外国へ出発する日。

「着いたらメールしてね？」
「忘れ物無いか？」
「大丈夫」

空港で両親と別れを惜しみ、ついに飛行機に乗る時間。買ってもらったばかりの携帯を握り締め、さあ出発！

「行ってきまーす！」

Aは満面の笑みで手を振った。

某月某日、平凡な日本人の少女は、平凡ではない人生に向かい飛び立った。