眠れない夜。 ページ10
「……(汗)」
DH「………」
ドアも開いたまま…。
男の人に抱き締められることさえ久しぶりなのに…。
昔と何にも変わらないドンへの匂いに、
とんでもなく胸が締め付けられる…。
DH「………」
「………」
昔々…大好きだった、愛おしくて堪らなかった
匂い……。
今は…もうわたしのものじゃない…。
抱き締められてる体を離そうとしたら
もっと強く抱き締められて、
わたしもそーっと、ドンへの背中に手を回してた。
「…ドンへの匂い…昔と一緒…(笑)」
DH「…あれから…変えてない……」
…いつか、わたしがあげた香水。
「ずっと？？(笑)」
DH「…ぅん…」
「(笑)」
さっきより少し柔らかくなった空気。
「……帰るよー…(笑)」
ドンへの背中をトントン叩いて言ったけど…
DH「………」
それでも離してくれない…。
「……ドンへー……？？」
DH「………」
しばらくそのまま…抱き締められたままでいた。
ゆっくり腕の力が抜けていくのがわかって、
そのタイミングでドンへの肩を押し返した。
久しぶりに見たドンへの顔は、
見てるこっちが切なくなるくらい…。
「……＾＾」
DH「………」
思わず口元だけ、ニコってしたら、
ドンへの顔が近くなる…。
「だめ…(汗)」
手のひらでドンへの唇をシャットアウト。
したけど…その手は手首から持っていかれて、
すぐに…わたしの唇へと辿り着いた…。
唇に…唇を感じた時には、わたしは目を閉じてた…。
最初から…触れるだけのキスとは違う…。
少し油断したら、ドンへの舌が滑り込む…。
それを拒まないでそのキスに応えているわたし…。
やっと思いが通じたキスでも、
大好きを伝えるキスとも違う…。
このキスは……
このキスの行き先はどこなんだろう…。
〜♪
「(汗)」
極上に甘いキスの途中、
車内に響いた着信音に驚いてキスが止まった…。
体と体が離れてまた、お互い見つめ合う…。
「電話……」
DH「………」
手に取ろうとしないドンへ。
「帰り…気をつけてね…。」
触れ合ってる部分を引き剥がすように
急いで離れて、慌てて車から降りてドアを閉める。
車を降りても振り返らないで部屋へと
駆け上がる。
玄関で、息切れなのか苦しい胸を押さえてたら、
エンジンを蒸した音が聞こえて、遠くなる…。
夢のような一瞬の出来事と、
胸の苦しさに戸惑うわたしを残して…、
誰かの待つ家へと帰る…。
まだ余韻の残る唇を噛んで、
久方ぶりの眠れない夜……。
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ちぃ〜(プロフ) - お疲れ様でした。素敵作品ありがとうございます。只今号泣中です。そーなりますよね？お別れだって分かってました。きっとたぶん…でもどこで期待してました。そんなどんへもありなんじゃないか？って。でもこれが正解ですよね。本当大好きな作品でした。 (2015年12月31日 1時) (
レス) id: 4f3e1bdd17 (このIDを非表示/違反報告)
ayaxxx(プロフ) - 行き着くところはお別れなんですね… 切なすぎます。。。 (2015年12月31日 0時) (レス) id: bd161c5e6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - やっぱり最後はお別れなんですね…。そうだろうとは思ってたけど心のどこかで、もしかしたら…!って…。最初から最後まですごくすごく切なくて読むたびに泣いてました。また読みたいです^^ (2015年12月30日 23時) (レス) id: 5251c9ec78 (このIDを非表示/違反報告)
ひょっくん(プロフ) - はぁぁぁ…。切ない切ない、身が張り裂けそうな決断。でもでもきっとこれが正解なんだって言い聞かせて…。私ってばなんていい女(T^T) 来年も梨子ペンは更新楽しみまってるよ♪良いお正月を過ごしてね^^* (2015年12月30日 22時) (レス) id: 7a87b674e7 (このIDを非表示/違反報告)
あゆいな(プロフ) - え…(泣)梨子ちゃん…切なすぎる。 (2015年12月30日 21時) (レス) id: f044a5867f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨子
| 作成日時：2015年8月30日 19時
