lonely lonely...＊Donghae＊

抱擁。 ページ11

あの日あんなに熱かった唇も
余韻が冷めて、残ってるのはあの夜の記憶だけ。

連絡なんて一切来ないし、
お店にも来ない…。

けど…当たり前か…。

昔懐かしい再会に、ほんの少し酔いしれただけ。

大人の火遊び…って心の中でひとり呟いて、
こっぱずかしい気持ちになった…。

終わりだと思ったあの日が、
終わるつもりだったあの日が始まりだなんて
思ったけど、別にわたしたちは
終わるような関係でも、始まるような関係でもない…。

わかってるのに…。

わかってるのに、わたしはどうして、
こんなにドンへに会いたいんだろう…。

お昼休みにケータイに触れてみる…。

ドンへの名前と番号が表示されて、
後は通話ボタンを押すだけのところで、
とても押せない…。

ドンへの声を聞くことが無くても、
ドンへがわたしの声を聞かなくても、
たったの呼び出し音だけで、
わたしの心の中の正直な気持ちがバレバレ
になってしまいそうで…とても押せない…。

わたしが心配なんてしなくても、
ドンへは楽しく毎日を送ってる。

忘れられなかった記憶に、
更に忘れられない記憶が増えた…。

忘れよう。
こないだのことだけ。

そう決めたのに、

「………。」

決めた途端、現れた。

DH「……＾＾」

わたしの大好きで、大嫌いな
困り顔の笑顔で…。

「いらっしゃいませ＾＾」

最高の作り笑顔でそう言ったら、
笑顔が消えて、悲しそうな顔をした。

「決まったら声掛けてくださいね＾＾」

それでもわたしは続けて、ドンへに背中を向けた。

DH「ぁ…すいません」

それから少しして呼ばれた。

「はい＾＾」

DH「ぁー……と…(汗)」

「お気に入りのもの…見つかりませんでした？＾＾」

DH「…A」

名前を呼ばれてキュンってなったけど…、

「奥様…好きなお花とか、お好きなお色とかありますか？＾＾」

DH「……外で…待ってる…」

「………」

DH「…もう…終わるだろ？」

「………」

DH「…待ってる…」

目も合わせないわたしにそう言って店を出た。

特に焦らずに、むしろいつもよりものろのろと
片付けをしてお店の外に出た。

「……。」

あれから一時間以上経ってる…。

ドンへの車をぼーっと見つめたまま
動けないでいたら、ドンへがクラクションを鳴らした。

渋々車に近付いたら中からドアが開いて
「お疲れ…＾＾」って。

助手席に座ってドアが閉まった瞬間、
目の前にいるドンへに飛び付いたら、
少し戸惑った後、思いっきりわたしを抱き締めた…。

今、死ぬ程…。→←眠れない夜。

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