それが出来ないのが…。 ページ19
「ぃった(汗)」
どこかに膝をぶつけても、
その足を引きずりながら玄関まで…。
ピンポーン…。
鍵を開ける手が縺れながら…ドアを開けたら…。
「………」
そこに立ってた。
DH「………」
「……なんで…」
って平気な素振りで聞いたら、
ドンへはすぐにわたしを抱き締めた…。
思いっきり…。
「………」
お風呂上がりみたいな、いい匂い…。
「なんで…」
素直じゃないわたしはそればっかり。
素直に「会いたかった！」ってドンへの背中に
腕を回せばいいのに…(泣)。
必死に泣くのを堪えて、平気ぶる…。
DH「…会いたかった……」
「………」
嘘ばっかり…(泣)
わたしの2コールで…、
わたしが「寂しい」「会いたい」って
わたしからのSOSだと思ったんでしょ…(泣)
「……(泣)」
絶対…。
絶対泣いたら駄目なのに…(泣)
「バッカじゃないの……(泣)」
って言ってドンへの胸を押し返すけど、
ドンへはもっと、もっともっと潰れそうなくらい
わたしを抱き締めた…。
DH「電話……ごめん…」
ドンへの声が少し震えてる…。
「…ぅぅ゛ん…。ごめん……(泣)」
DH「……ごめん…」
「…家……大丈夫…？」
こんな時に一体何を聞いているんだろう…。
DH「……ぅん…」
「わたしも大丈夫だか
「ら」まで言えなかったのは、唇を塞がれたから。
「……(泣)」
気持ちは、なんとか誤魔化せたのに…。
その唇を割ってドンへの舌が滑り込むのは…
すんなり受け入れてた…。
玄関先でキスに溺れて、
一体…あとこれを何回繰り返したら出口に
辿り着けるんだろう…って頭の片隅で思いながら
ドンへの頬に添えてた手が、
ドンへの首筋へと滑り落ちた…。
DH「………」
ドンへがハッとしたのがわたしにも伝わって、
わたしの手が、首筋よりも下へ行くのを
やんわり止めた…。
「………」
唇と唇が離れて、わたしとドンへもほんの
少し離れる…。
いつもなら…キスに夢中になりながら
わたしをベッドに誘導して押し倒すのに…。
今、明らかにそれをしないのは……。
はやくわたしを抱こうとしないのは…、
きっと…この手で…抱いたからだ…。
「…そーゆーとこ……嫌い…」
俯きながら言った…。
DH「………」
もうわたしたちは最低なことをしてるんだから。
どうせ…最低なんだから…。
そんなこと隠して、
わたしのことも抱いちゃえばいーのに…。
「…嫌い…(泣)」
DH「…ごめん…」
それが出来ないのが…正直で不器用なドンへ…。
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ちぃ〜(プロフ) - お疲れ様でした。素敵作品ありがとうございます。只今号泣中です。そーなりますよね？お別れだって分かってました。きっとたぶん…でもどこで期待してました。そんなどんへもありなんじゃないか？って。でもこれが正解ですよね。本当大好きな作品でした。 (2015年12月31日 1時) (
レス) id: 4f3e1bdd17 (このIDを非表示/違反報告)
ayaxxx(プロフ) - 行き着くところはお別れなんですね… 切なすぎます。。。 (2015年12月31日 0時) (レス) id: bd161c5e6f (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - やっぱり最後はお別れなんですね…。そうだろうとは思ってたけど心のどこかで、もしかしたら…!って…。最初から最後まですごくすごく切なくて読むたびに泣いてました。また読みたいです^^ (2015年12月30日 23時) (レス) id: 5251c9ec78 (このIDを非表示/違反報告)
ひょっくん(プロフ) - はぁぁぁ…。切ない切ない、身が張り裂けそうな決断。でもでもきっとこれが正解なんだって言い聞かせて…。私ってばなんていい女(T^T) 来年も梨子ペンは更新楽しみまってるよ♪良いお正月を過ごしてね^^* (2015年12月30日 22時) (レス) id: 7a87b674e7 (このIDを非表示/違反報告)
あゆいな(プロフ) - え…(泣)梨子ちゃん…切なすぎる。 (2015年12月30日 21時) (レス) id: f044a5867f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨子
| 作成日時：2015年8月30日 19時
