紫紺の彼女はもう1人の最強Ⅴ (ページ10)

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悟side

やっとAの全てを手に入れた
7年だ。
7年、この僕人生最大の我慢の期間だった。

これから本家に顔を出さなきゃいけないのは
面倒だし憂鬱だけど
Aを大歓迎しているから
気が進まないことも無い

そろそろ移動しようかと思っていると
Aが長方形の箱を渡してきた

「これ、開けていいの？」
ホテルのラウンジ、
ソファに並んで腰かけたこの状況は
いつかの、今もお互いの首に光る
ネックレスを交換したシチュエーションを
思い出させる

開けるとそこには
シンプルなデザインで
控えめに紫紺の宝石が散り嵌められた
2つの指輪があった

「っこれ、、」
結婚指輪、
A、お前、

『あのね、一緒に選んだ方がいいかなとは、思ったんだけど。悟に嵌めて欲しいなって、私、考えてて、それね、私がデザインして、大好きなブランドに作ってもらったの。、だめ、かなっ』
空いてる右手で
Aを抱きしめた

「んっとにお前は、、嬉しすぎる。、まじで、嬉しい。」
やべ、泣きそう。
抱きしめてた右手を上げて
自分の目を乱暴に擦った

『、悟、、泣いてる？』

「っ泣いてねぇよ！はぁ、、A、まじでありがとう。Aが、そこまで、この結婚を受け入れてくれてると思ってなかった。16になったばっかで、この歳で結婚なんて、まだ早いとか、躊躇いも、あんのかなと思ってた。」
それでもAが
焦る俺を受け入れてくれたから
つなぎ止めてたと思ってた。

Aにそっと体を離されて
顔を覗き込まれる

今は、ちょっと酷い顔してそうなんだけどな
それでもイケメンなことには変わりないか

『ごめんね、悟。不安にさせてたのかな、、私、言葉足らずだから。、悟と結婚することに、一度も迷ったことなんてないよ。これからも、後悔する気もない。ふふっ、結婚しよって言ってもらってから、指輪のことばっかり考えてた。』
てへっと笑うAは、
僕に似てきた気がする。

愛おしすぎて、口付けた。

「A、付けて？」
左手を出すと、付けてくれたそれは
ピッタリで、
もうひとつは、僕があげた婚約指輪に
重ねるようにAの左手の薬指に付けた

『幸せ、、』
「この色、俺とAの色だな。A、こっち見て？」

Aの赤と、俺の蒼が混ざる
「この色が大好きだ。紫紺の瞳が綺麗だよ。」
『私もね、この色が、大好きなの。』

2人で笑いあって、
ラウンジで指輪を翳して
撮ってもらった写真は
リビングに飾った

沖縄の数々の写真も。
全てが、幸せの塊だ