紫紺の彼女はもう1人の最強Ⅴ (ページ35)

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あれから悟と約束をした

私は任務をしない

二級までの任務は、すべてほかの呪術師に回す
明らかな一級案件は
師範か龍、それか僅かにいる一級術師へ

特級疑いの一級案件の調査は
伊地知さんの同行で私が行く
天照に行かせて、視覚共有で私が確認する
祓えるなら天照が祓って食べる
天照では厳しいものは、悟に割り振る

そうだ、仕事が増えてしまう伊地知さんのために
車内では伊地知さんの分の書類仕事もやろう

そうして、役に立つんだ

で、毎日ちゃんと家に帰って
悟の帰りを待つ

ずっと家にいてもね、ということで
この内容で落ち着いた

まあ、私は、隣に立っていないけど。

子供を持つって、難しいね。

それでも、悟にあんな顔させたくないから
これでいい。

安心したように息をついて
ありがとう、と呟いた悟に
やっぱり私は、何も言えなくて
これでいいって、
悟を抱きしめた

あれから宣言通り、私は毎日ほぼ車に揺られている
伊地知さんはほんとに大変だ

申し訳なくって、伊地知さんの仕事が少しでも軽くなるように
私は車内でなんなくパソコンを使いこなせるようになった
幸い酔わない体質みたい

「Aさん、次の目的地まであと10分ほどです。コンビニがありますが、何か必要なものはありますか？」

『ううん。大丈夫。』

カタカタカタカタ、、

「あの、、Aさん、」
まだ何か言いたそうな伊地知さんに、
手を止めて前を見た

コンビニの駐車場に停車してるのか

『なに？行ってきていいよ。私、何もいらないから。』

「あ、はい！すぐに戻ります。」

そう言って、またパソコンを打っていると
バタンと車のドアが開く音がした

「あのこれ、よかったら。」

いつの間にか戻った伊地知さんに
差し出されたものを見て、びっくりした

『珈琲。、』

「はい、無糖のものにしたのですが。、」

『ありがとう。』

伊地知さんの気持ちが嬉しくて、笑顔で受け取った。
珈琲。嬉しい。

「あの、Aさん、」

『ん？』
珈琲を開けながら聞いて、一口飲む。おいしい。

「疲れていませんか？ご体調は？」

『大丈夫。気を遣わせてごめんね。仕事も増やして。』

本当に申し訳ないの。

「そんなことはないです！むしろ五条さんに付くほうがずっと、、あ、」

『ふふっ、大丈夫、言わないから。』

「すみません。書類仕事も逆に凄く助かっていて。私は逆に楽なんです。本当に何でもできるのですね。」

『なんでも、、できないよ』
そう言って、また書類に集中した