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悟side
1か月、見ているのが辛くなるほど
Aはしんどそうだった
身ごもるっていうのは、こんなに大変なことなのかと
初めて知る
変われるものなら、変わってやりたい
自分は何もしていないと悲観的になるAを
ただ慰めて、温めて、眠らせてやることしかできなかった
せめて自分のできる限りのことをしてやる
そう思って、Aが割り振りを悩んでいた任務も
Aが寝てる間に僕に振って
ひたすら任務をこなした
家のことも全部やってやりたいけど
Aはゆっくりでもやろうとする
ずっと隣で見ててやりたいけど
Aの代わりに任務をすることが
きっと一番役に立つ
そう思って任務に明け暮れた1か月
それでも全然きつくなかった
Aの顔を見れば
疲れなんて吹き飛ぶし
徐々に大きくなる腹に手を当てると
自然と口角があがる
なんでも気持ち悪くなるAが
僕の匂いは好きだという
僕も、Aの匂いが大好きだ
癒される
そうして耐え抜いたAは
今日硝子から安定期に入ったと告げられた
珍しくAからきたLINE
喜ぶのはわかるが、違和感を感じる
あいつ、もしかして、
体調よくなったからって前みたいにやる気じゃないよな？
出張中なんてお構いなしに
任務の配分を見る
案の定、
あいつ自分に割り振りやがった
何考えてやがるっ、、
しかも、、既に祓ってやがる！？
確か今日は、七海とランチに行くと言っていた
七海にメールして、Aに任務を止めるよう言ってほしいと頼んだ
何かあったらどうするつもりだ、あいつ。
-ちゃんと話をしてください-
そう書かれたメールの返信に舌打ちをした
急いで出張先から帰り、部屋に入ると
シャワーを浴びているA
リビングに行くと
旨そうな匂いがして
久々のAの料理の匂いに
自分の空腹に気付いた
片づけられた部屋
完全に以前のAだ
俺が出張に行ってるたかが3日でここまで。。
ぼーっとソファに腰かけ
タブレットを確認する
ん？明日の任務に割り振ってた
特級案件が消えている。
そこに添付されている報告資料
記された五条Aの名前
っばかかあいつは！！
風呂上り、ゆったりしたパジャマをきて
リビングに来たA
『悟、おかえり』
「、、ただいま」
『悟？疲れた？』
顔を覗き込まれる
ほんとに何にもわかってなさそうな顔
たまに、本当にたまに、無性にイラつくんだ
こんな自分を出せるのも
Aにだけなんだけど
この瞬間だけは
Aとの未来が不安になる
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作者名：りん | 作成日時：2021年7月24日 1時
